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2004年の牛肉生産量は前年比11.9%増 ウルグアイ農牧水産省農牧計画政策局(OPYPA)は先ごろ、同国における2004年の牛肉需給動向 と2005年の見通しを発表した。 2004年の牛飼養頭数は、1,390万4千頭(12月31日現在)と過去最高となった前年をさらに3.1%上回 った。 また、2004年の牛肉生産量(枝肉換算ベース)は、と畜頭数の増加から前年比11.9%増の110万トンと 大幅な増加が見込まれている。これは、ウルグアイ国立食肉院(INAC)のデータを根拠としており、 と畜頭数は同23.6%増の213万9,895頭と、97年に記録した195万9,543頭をさらに9.2%上回っている。 なお、この内訳を見ると、雌牛が前年比42.7%増の99万668頭と、全体の46.3%を占めた一方で、去勢 牛は同10.9%増の110万1,922頭となり、全体に占める割合は前年の57.4%から51.5%に低下した。雌 牛のと畜が増えたことにより、平均と畜重量は、同2.4%減の447キログラムとなった。 牛肉輸出量は前年比26.5%増 OPYPAによると、2004年にウルグアイは世界第7位の輸出国となり、世界の総輸出量の6.5%を 占めたとされる。同じくINACの統計によれば、2004年の牛肉輸出量(冷蔵・冷凍肉および加工肉、 枝肉重量ベース)は、前年の31万8,461トンから26.5%増の40万2,784トンとなり、過去最高を記録した 前年をさらに上回った。また、輸出額は前年の3億7,948万ドルから64.0%増加して6億2,221万ドル (640億763万円:1ドル=103円)となった。 OPYPAでは、輸出量、輸出額ともに過去最高となったことについて、政府および民間レベルで、 市場アクセスの確保や衛生条件の向上、と畜能力の改善など、輸出拡大に向けて取り組んだ結果とし ている。 主要な輸出先を見ると、北米自由貿易協定(NAFTA)地域が31万2,520トンと輸出量全体の77.6% を占めた。そのうち米国は26万5,450トンと前年に比べ159.1%の大幅増となった一方で、カナダは同 24.5%減の4万6,763トンとなった。このほか、EUが同2.4%増の3万5,077トン、南米南部共同市場 (メルコスル)が同49.2%減の1万8,638トン、イスラエルが同55.8%減の1万3,552トンとなっている。 2001年4月にウルグアイで発生した口蹄疫により一時停止した米国向け輸出が、2003年5月に再開さ れ、大幅に増加した影響で、他地域への輸出が減少した状況を示している。 また、OPYPAは米国でのBSE発生により、米国産牛肉のアジア向け輸出が停止したことで、 アジアでのオセアニア産の需要が高まっているとともに、アルゼンチン、ブラジルなどの競合国が衛 生ステータスの問題から米国など主要市場へのアクセスを困難としていることがウルグアイにとって 追い風となっているとしている。 2005年も引き続き増加 2005年の牛肉需給見通しについて、生産量は、前年比5.5%増の117万1千トンと見込まれており、 この増加は主にと畜頭数の増加が要因とされている。また、輸出量は同6.1%増の42万トンと見込ま れ、国際市場においてウルグアイが有利な状況は今後も引き続くとしている。 ◎アルゼンチン、OIEのステータスを回復 アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)は1月18日、国際獣疫事務局(OIE)の動物疾病 科学委員会において、南緯42度以北が口蹄疫ワクチン接種清浄地域のステータスを回復したことを発 表した。なお、OIEによれば、このステータスは1月19日から実行するとしている。 また、アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)のカンポス長官は同日公表のプレスリリースで 、「EUへの北部4州の生鮮牛肉輸出解禁に続く朗報」とした上で、「今後は輸出先が増えるだけで なく、中国という巨大市場を含めた輸出量の増加が期待される」としている。中国とはすでに昨年11 月17日、ステータス回復後の骨なし生鮮牛肉の輸入を認めることについて覚書きを交わしている。 また、パラグアイについてもOIEの口蹄疫ワクチン接種清浄国のステータスを回復し、1月19日か ら実行すると発表した。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成17年1月19日発】
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