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アラブ−メルコスル、経済協力枠組協定を締結 5月10日、メルコスル(4カ国)および湾岸協力会議(GCC、6カ国)間で、二地域における自由貿易協定な どを推進するための経済協力枠組協定が締結された。協定の主な合意内容は以下のとおりである。 ・両地域は、経済、技術、投資に関する協力関係を強化し、これらの分野で必要とされる情報交換を促進する。 ・自由貿易協定(FTA)の締結を目指し、WTO協定や国際的な義務を考慮した上で、両地域間の経済関係 の拡大、自由化に向けたメカニズムを検討する。 ・交易を深めるための環境作りを@通商に関する情報交換の促進、A関税障壁の排除、B貿易関連機関、団体 間での取引関係の強化、C技術譲渡−などを通じて探求する。 ・経済、技術、貿易の促進のため、相互間の人的交流を推進する。 ・経済、貿易、農業、工業と異なる分野における共同投資計画を策定した上で、両地域間の投資を推進するた めに、必要とされる活動を実施する。 ・経済、通商、技術、投資に関する合同委員会を設置する。この中で、自由貿易圏の交渉のための基準を含む、 両地域間で取り決められる合意や議定書について、その規定の適用や解釈において生じるいかなる障害や議 論についても検討し、二地域間の協力促進、経済関係の強化、貿易量の拡大のための勧告を受け入れること とする。なお、同委員会は必要と認めた場合には小委員会あるいは研究グループの設立についての権限を持 つ。 ブラジル、輸出拡大に大きな期待 この合意を受け、ブラジルのアモリン外相は「2003年から04年にかけて、ブラジルから中東諸国への輸出は 47%増加しているが、今回の協定の締結により、輸出の拡大をさらに促進するものになるだろう」と述べてい る。また、フルラン開発商工相も「ブラジルと中東諸国での貿易取引額は現在約80億ドルであるが、今後3年 間に150億ドルに拡大する可能性があり、そのためには、双方の企業の積極的な参加と努力が必要」としてい る。 なお、ブラジルの2005年1〜4月の中東向け農産品輸出額は8億9,630万ドル(977億円:1ドル=109円)と 前年同期を32.8%上回り、オセアニア向け(同38.1%増)に次ぐ増加率となった。 アルゼンチン、中東向け農産物輸出が好調 また、アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)によると、2005年1〜3月の中東向けの動植物由来 製品の輸出量は前年同期比119.2%増の149万9,434トン、輸出額は同59.7%増の2億1,724万ドル(約236億8千 万円)となっている。 国別に見ると、中東の中でも主要な輸出先は、GCC非加盟国のイスラエルで、輸出量は前年同期比394.2% 増の24万6,031トン、輸出額は同28.3%増の同4,809万ドル(52億4千万円)となり、主要輸出品目はトウモロコ シが1,782万ドル、牛肉カタが307万7千ドル、大豆粉267万3千ドル、牛肉リブが241万3千ドル、牛肉ネック が239万9千ドル、骨なし牛肉が210万7千ドルであった。次いで、GCC加盟国のアラブ首長国連邦が小麦、 ヒマワリ油、大豆を主な品目として、輸出量が前年同期比210.6%増の27万7,677トン、輸出額が同99.9%増の 4,488万ドルとなった。その他として、イエメンは小麦を中心に輸出量で同158.5%、輸出額で同109.0%、ヨ ルダンは小麦、全粉乳を主な品目として、それぞれ、474.0%、227.2%と前年同期を大幅に上回った。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成17年5月24日発】
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