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欧州委、BSEコードに関するEUの見解を公表


  欧州委員会は5月24日、本年の国際獣疫事務局(OIE)総会(5月22日〜27日、パリ)における議題に対する
EUの見解を公表した。この中には、BSEに関する国際基準(BSEコード)に関するものが含まれており、そ
の主な内容は以下のとおり。


骨なし骨格筋肉については、条件付きで支持
 
 今回、OIEが提案している「当該物品の輸入または経由を認定する際にBSEに関連したいかなる条件も要求
すべきでない物品(無条件物品)」として、新たに骨なし骨格筋肉および血液・血液製品を追加することについて
、EUは、と畜および除骨時における交差汚染を防げることができれば、支持するとしている。これに加え、骨な
し骨格筋肉の定義を明確にすべきであるとしている。

 このようなことから、具体的には、@30カ月齢以下の機械的分離肉および頭部の肉を除く骨なし骨格筋肉とする
こと、Aこれらは良好な衛生条件の下でと畜されること、B特定危険部位(SRM)の組織との交差汚染を避ける
工程によりと畜および除骨が実施されること、C生産される牛肉の牛の月齢を認証するシステムが機能していなけ
ればならないこと-をOIEの提案に対する追加の条件として提案している。


カテゴリーの簡素化について

 現在のBSEコードでは、国または地域におけるBSEの発生状況により、@清浄国、A暫定清浄国、B最小リ
スク国、C中リスク国、D高リスク国と5段階にカテゴリーを区分している。今回、OIEは、この区分をT「物
品特異的なリスク低減措置を実施しなくても無視できるリスク国または地域」、U「物品特異的なリスク低減措置
を実施すれば無視できるリスク国または地域」、V「不明なリスク国または地域」の3つの区分に簡素化する提案
をしている。

 各カテゴリーの国または地域からの牛や牛肉などを輸入する際に付すべき条件についての一部変更をOIEは提
案しているが、EUは、何点か修正意見を出すとともに、特に、Vの国または地域はリスクが不明であることを考
慮し、この国または地域からの輸出については、無条件物品のみとすべきであると提案している。


SRMに関する提案
  
 OIEは、上記UおよびVの国または地域におけるSRMの一つとして、「すべての月齢の牛の扁桃および回腸
遠位部ならびにこれら由来のたんぱく製品」と定義することを提案している。この件に関してEUは、回腸遠位部
に限らず、「腸全体」をSRMにすべきであると提案している。
 
 また、脳や脊髄などをSRMとする月齢について、Uの国または地域は30カ月齢を超えるもの、Vの国または地
域は12カ月齢を超えるものとOIEは提案しているが、EUは、この件に関する定量的リスク評価および新たな科
学的知見に基づく欧州食品安全機関(EFSA)からの科学的見解が出るまでは、EUとしての見解を保留すると
している。


サーベイランスの基準

 EUは、サーベイランスに関する改定案作成のためにOIEが行った研究を歓迎し、BSEのリスク評価の結果
により、サーベイランスの適用の基準を変更することについては、理解するとしている。しかしながら、何点かの
修正意見を出すとともに、Tの評価を得た国または地域において、OIEの提案のようにサーベイランスの対象を
BSE様症状牛のみに限ることについては反対し、Tの評価を得た国または地域においては、5万頭に1頭の割合
でサーベイランスを実施することを提案している。




【ブリュッセル駐在員 山ア 良人 平成17年5月25日発】 



  

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