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連邦最高裁、牛肉チェックオフ制度支持の裁定(米)


裁定は、6対3で制度支持

  連邦最高裁判所は5月23日、牛肉チェックオフ制度に対するサウスダコタ州の連邦地方裁判所および第8連邦控
訴裁判所の制度違憲判決を支持しない裁定を下した。9人の裁判官のうち6人が同制度支持を表明している。同制
度では、85年に制定された牛肉の普及と調査に関する法律に基づき、肉牛生産者牛肉振興調査ボード(CBB)が
、肉牛生産者などから販売時に生体1頭当たり1ドルを賦課金として徴収した原資を基に制度の運営を行っており
、牛肉関連団体などに対し牛肉の販売促進、調査・研究および各種の情報活動を行うための資金を提供している。



制度はUSDA監視下で適切に運営 

  今回の最高裁の裁定に至ったきっかけは、1998年ころから畜産マーケティング協会(LMA)などが、当該制度
の運営が大規模農家偏重で中小規模(特に家族経営)生産者に不平等な扱いを受けているとして、当該制度存続の
是非を問う全体投票(リファレンダム)を実施するための署名を集めたのが背景にある。99年には米国農務省(U
SDA)に対し、請願書を提出したものの、署名数が全体投票の実施に必要な規定数(全米肉牛生産者数の10%以
上)に達していなかった。そのためLMAなどは、その判断を司法の手に委ねるべくサウスダコタ州の連邦地方裁
判所に訴訟を起こし、2002年7月にはLMA側の主張どおり制度の違憲判決が下された。しかしながらUSDA側
がこれを不服として第8連邦控訴裁判所に控訴したものの、当該裁判所は2003年7月、再び違憲判決を支持する判
決を下した。
 
 これに対しUSDA側は最高裁への上告を決め、2004年5月にはUSDAからの上告を最高裁が受理、審議が開
始された。裁定での制度支持について、@牛肉チェックオフ制度はCBBという政府でない非営利組織が管理運営
してはいるものの、CBBの役員の任命および解任の権限が米農務長官にあること、ACBBの運営はUSDA農
業マーケティング局(AMS)の適切な管轄下にあり、運営上の公正性は保たれていること−をその理由としてい
る。今回の決定により、牛肉チェックオフ制度は中断することなく継続される予定である。



農務長官、NCBAなどからは賞賛の声

  ジョハンズ米農務長官は今回の裁定について、「最高裁が、下級裁判所の判決を覆し牛肉チェックオフ制度を支
持する裁定を下したことは非常に喜ばしいことである。これは、チェックオフ資金の有用性を理解している多くの
生産者の確かな勝利である」と述べた。また、全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)のマクアダムス会長は「裁
定は、生産者を喜ばせるものである。合憲という裁定までの道のりは長かったが、肯定的な結論が出ることを期待
していた。牛肉の需要喚起などを期待するすべての生産者にとって、この制度の継続は賞賛に値する」と述べた。
NCBAでは、2005年1月現在、肉用牛生産者の約73%がこの制度を支持するとの民間調査機関の調査結果がある
としている。



◎米政府、牛結核病侵入防止のためメキシコ・デュランゴ州からの生体牛輸入を停止
 
  USDA動植物検査局(APHIS)は5月24日、メキシコのデュランゴ州からの生体牛の輸入を停止すると発
表した。USDA/APHISは、デュランゴ州では、米国向けの生体牛輸出が認可されている地域と認可されて
いない地域があるが、今回APHISの同州における牛結核病管理状況について検証したところ、認可されていな
い地域から認可地域への生体牛の移入が発見されたため、同州から米国への牛結核病侵入の可能性があるとして輸
入を停止することにしたとしている。




【ワシントン駐在員 道免 昭仁 平成17年5月25日発】


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