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欧州委員会は、鳥インフルエンザに対する予防対策として、野生に生息する鳥から、家きんやそ のほかの鳥(ペット用の鳥、動物園の鳥など)への感染を減少させるなどの対策を適用している。 リスクの高い地域での追加措置 各加盟国は、10月19日の委員会決定(2005/734/EC)に基づき、リスクの高い地域を特定すること となっている。今回、追加の対策として、2005/734/ECを改正する委員会決定(2005/745/EC)を適 用した。この中で、これらリスクが高いとした地域での対策として、@家きんの屋外での飼養の禁 止、A動物福祉の目的で設置された屋外の給水所は、野生の水鳥から十分に隔離すること、B野鳥 が接触する給水所の水において、ウイルスの不活化が確実となっていない場合は、これを家きんに 給与しないこと、C鳥の狩猟目的のおとり用の鳥の使用を禁止−とした。また、各加盟国は、家き んやそのほかの鳥を一堂に集めることによるショー、展示会、文化的なイベントを禁止した。これ らの措置は、2005年12月1日までの適用となっている。 なお、加盟国は、各国の講じる対策について11月5日までに欧州委員会に対し報告することが求 められている。 これに関して、10月25日現在、ドイツ、オーストリア、オランダ、ポーランド、フランスなどに おいて、リスクの高い地域での家きんの屋外飼育を禁止する措置を発表している。 動物園の鳥に対する予防対策 また、欧州委員会は10月21日、野生に生息する鳥から、動物園で飼養しているウイルスに対する 感受性の高い鳥に、鳥インフルエンザの感染を阻止するための予防対策を適用した(委員会決定 2005/744/EC)。 加盟国は、湿地や渡り鳥の飛行経路などのリスクが高い地域を考慮し、動物園で飼養するウイル スに対する感受性の高い鳥に対する措置を講じることとしている。また、リスクアセスメントに基 づき、もしこれらの鳥にワクチン接種が必要とするならば、ワクチン接種を適用する決定をしても 良いとしている。なお、ワクチン接種に際しては、対象品種、ワクチンの接種期間、ワクチン接種 した鳥の特定、記録、移動制限などの条件が規定されている。 加盟国は、この執行に関する詳細を11月30日までに欧州委員会に報告するとともに、ワクチン接 種に関するプログラムについてはフードチェーン・家畜衛生常設委員会に提出することとしている。 第三国での鳥インフルエンザ発生地域からの輸入規制 欧州委員会は10月20日、モスクワの南200キロメートルに位置するトゥラ(Tula)で、H5N1 型の鳥インフルエンザが確認されたことに伴い、ロシアのヨーロッパ地域(ウラル山脈以西)から の生きた鳥(ペット用を含む)および未処理の羽毛の輸入を一時停止する委員会決定(2005/740/ EC)を適用した。この決定は、カリーニンググラード州、レニングラード州、カレリア共和国、ム ルマンスク州、サンクト・ペテルブルグ市には適用されない。 また、欧州委員会は10月24日、クロアチアでH5型ウイルスによる鳥インフルエンザが確認され たことに伴い、同国からの生きた鳥、野生の鳥の生肉およびそれらからの調製品、食用卵などの輸 入を一時停止した。 第三国からのペット用の鳥の輸入を禁止 フードチェーン・家畜衛生常設委員会は10月25日、イギリスで隔離検疫中に死んだオウムからH 5N1型ウイルスの鳥インフルエンザが確認されたことに伴い、EUでの鳥インフルエンザに対す る防御を高めるため、商業目的の家きんを除く生きたペット用の鳥の輸入を禁止する欧州委員会の 提案に合意した。 また、今回の提案では、第三国から飼い主と共に移動するペットの鳥に関しては、5羽以内であ れば、第三国で認められた30日間の隔離検疫を受けた場合(そうでない場合は、目的地の加盟国で 30日間の隔離検疫を受検した場合)、EUに持ち込むことを認めるとしている。また、隔離検疫以 外の方法としては、鳥インフルエンザに対するワクチン接種または移動前に約10日間のウイルスの 分離検査で陰性であることとしている。【ブリュッセル駐在員 山ア 良人 平成17年10月26日発】
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