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すべてのパッケージ食品に原産国を明記 豪州・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は10月5日、食品の原産国表示に関する最終改定案を 発表した。これは、豪州連邦政府およびNZ政府や豪州各州の食品関連閣僚などから構成される豪州NZ食 品規制閣僚会議(ANZFRMC)が、2003年後半に消費者の食品選択を容易化するため、食品に関する原 産国表示の見直しを行うようFSANZに要請していたもので、この改定案は10月28日に開かれるANZF RMCで、最終的に判断される。改定のポイントは次のとおり。 ○パッケージ食品についての改定のポイント 1 パッケージされたすべての食品について、食品の生産、加工または包装された国名をラベル上に表示す る。現行制度で許容されている輸入食品であることを示す加工業者や輸入業者の住所だけの記載などは認 めない。 2 複数の成分(食材)から成る食品がすべて輸入品である場合は、その食品が単に輸入品であることを示 すのではなく、実際の輸出国名を記載しなければならない。 3 国名表示については、取引慣行法が定める加工コスト50%以上の食品に使われる表示である「メイドイ ン・オーストラリア」や原材料の100%が豪州産でかつ加工も豪州で行われる食品についての表示「プロ ダクトオブ・オーストラリア」または、加工コスト50%未満の食品に使われる表示である「(自国産およ び)輸入品から成るメイドイン・オーストラリア」の表示は、改正後も適用される。 100%輸入品からなる食品についても同様で、例えば「プロダクトオブ○○国」などの表現となる。複 数の輸入品から構成される食品の場合は、複数の食品の原産国名を列記するか、「○○国でブレンドされ た(○○国産および)輸入品から成る食品」などの表現となる。(非パッケージ食品も同様) ○非パッケージ食品についての改定のポイント 1 パッケージされていない食品に関する原産国表示義務は、豚肉や果物、野菜、魚、ナッツ類の生鮮品や 加工品に適用される。現行の生鮮品に許容されている単に輸入品である表示は認めない。また、現行では パッケージされていない加工品には原産国表示は要求されていない。 2 非パッケージ食品の原産国表示は、例えば、オレンジへのラベル貼付などラベル自体に原産国を記載す る方法や、食品の近くに原産国を明らかにするような表示を行うことにより実施する。 3 表示は9ミリメートル以上の文字で、読みやすく、対照的な色を使うなど目立つものにしなければなら ない。 4 なお、輸入量が増加している豚肉への適用は、豚肉産業界や消費者からの要望で最近になって加えられ た。 新たな表示規則導入には一定の準備期間必要 法制化は早ければ2005年11月が見込まれるが、実施には産業界の準備が必要であることから、次のような スジュールを予定している。 ・非パッケージの魚、果物、野菜やナッツ類とパッケージされた生鮮産物―法制化後6カ月以内 ・非パッケージの豚肉製品―同12カ月以内 ・他のパッケージ食品―同2年以内(現在ある在庫については、さらに12カ月延長) 一部の業界では反対意見も 一方、一部の野菜生産者団体では、消費者は原産国を明確に知ることを希望していることから、複数の成 分から成る食品について、改正案にある「(自国産および)輸入産品から作られたメイドイン・○○国」な どの表示では不十分であり、少なくとも3つの成分については原産国の表示を行うよう求めている。 【シドニー駐在員 井上 敦司 平成17年10月20日発】
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