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生産者団体は新たな戦略を提言 アルゼンチン政府は3月13日に向こう180日間にわたる牛肉の輸出停止を定めたところ(既報、本紙 通巻第712号参照)であるが、この措置に対する関係者の反応などを紹介する。 アルゼンチン農牧協会(SRA)は3月16日に畜産部門への投資を増大させることにより、牛肉生 産量の向上を図るべきであるとのアルゼンチン畜産戦略計画を発表した。この計画は、現在約5,500万 頭といわれる肉用牛飼養頭数を10年間で6,700万頭に増加させるとともに、1頭当たり枝肉重量の40キ ログラム増加(参考:現状の約20%増加に相当)を図ることを目的としており、この達成のために、 畜産関係者に向けて、 @ 高品質な飼料の給与を増加させること A 分娩率、受胎率などの繁殖能力を向上させていくこと B 家畜改良の専門家の育成を図ること C 繁殖雌牛導入に当たり融資制度を設けること D 家畜福祉の向上を図ること など計19の項目についての実行を提言している。 ブラジルは牛肉輸出の拡大を期待 これまでアルゼンチンは、主にロシアやチリなどに向け牛肉を輸出(2004年63万トン、2005年77万 トン(枝肉ベース))してきたが、これらの国ではほかの供給先を探すため、昨年末、口蹄疫の発生 により停止しているブラジルからの牛肉輸入の再開を早急に検討する可能性もあるものとみられてい る。 ブラジル全国農業連盟(CNA)の常設肉用牛フォーラムのノゲイラ委員長は、今回のアルゼンチ ンの牛肉輸出停止措置を「アルゼンチンがブラジルに贈った最高のプレゼント」であるとして、アル ゼンチンがこれまで輸出してきた牛肉の需要に応じるため、急いで牛肉輸出の拡大に向けての態勢を 整えることが必要であると呼びかけている。 アルゼンチンの牛肉消費の減退はみられず このような状況の中で、アルゼンチンのキルチネル大統領は牛肉価格が下がるまで買い控えるよう にと国民に対し呼び掛けるとともに、パリジ大統領府長官はアルゼンチン行政府の職員に対して、牛 肉の購入を控える旨の事務連絡を行った。 しかしながら、これら政府の動きに対するアルゼンチン国民の反応は低く、現地報道などによると、 牛肉の売れ行きは減少していないようであり、年間で1人当たり約61キログラム(日本は約5.6キロ グラム)の牛肉を消費する食習慣はすぐに変わるものではないようである。 ◎アルゼンチンの鶏肉輸出量は56%増加 アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)は、3月21日に今年1月から2月にかけての鶏 肉輸出が前年同期に比べ56%増加したことを発表した。 鶏肉の輸出量は12,724トン、輸出額は1,697万ドル(約19億8,549万円:1ドル=117円)で前年同 期に比べ輸出量(前年同期8,178トン)で56%、輸出額(前年同期983万ドル、約11億5,011万円)で 73%の増加となっている。 うち、生鮮鶏肉についてみると、輸出量は11,948トン、輸出額は1,505万ドル(約17億6,085万円) で前年同期に比べ輸出量(前年同期7,238トン)で65%、輸出額(前年同期812万ドル、約9億5,004万 円)で85%の増加となっている。 【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成18年3月22日発】
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