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飼養頭数は減少に転じる一方、収容可能頭数は前回に続いて過去最高を更新 豪州フィードロット協会(ALFA)は11月7日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査に よる四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を公表した。これによると、2006年9月末現在の飼 養頭数は、前回の調査(2006年6月末現在)と比べて6.3%減の88万1千頭となり、最近二度の調査で過去最 高頭数を更新していたものの減少に転じた。要因の一つとして、この四半期(7〜9月)のと畜頭数が、72 万3千頭で前回調査の10%増となり大きく伸びたことが挙げられる。一方、フィードロット収容可能頭数は、 113万2千頭と前回の調査をわずかに上回り(0.03%増)、前回に続いて過去最高を更新した。また、フィー ドロットの稼働率については、78%で前回の調査と比べて5ポイント低下した。 飼養頭数は前年同期を上回るが、前回調査からは減少 フィードロットの飼養頭数を州別に見ると、主要肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州、ニュー サウスウェールズ(NSW)州などでいずれも前回の調査を下回った。しかしながら、前年同期と比べると、 すべての州で上回っている。 フィードロットの飼養頭数を仕向け先別に見ると、輸出向け、国内向けおよびその他向けとも前回の調査 を下回っている。輸出向けについては、前回の調査と比べて3.4%減の55万7千頭で、全体の63.2%を占めて いる。 今後、干ばつの影響により大幅なフィードロット飼養頭数の減少を予測 ALFAは、飼養頭数が減少に転じた今回の調査結果を、通常の頭数変動の範囲内であるとしているもの の、今後、干ばつの影響を受けることは明らかであり、フィードロットの飼養頭数がさらに減少するとみて いる。これは、最近2カ月間で飼料穀物価格が急上昇しており、こういった高値の状態が来年後半まで続く と予想しているためである。この結果、肉牛肥育業者にとっては、肥育用素牛価格の下落といった要素はあ るものの、総体的な生産コストの上昇につながるため、2007年はさらに収益性が悪化するとみている。 このため、ALFAは、豪州連邦政府のマクゴラン農相が10月27日に公表した飼料穀物の緊急輸入方針の 決定(「海外駐在員情報(平成18年11月7日号)」参照)について、歓迎するとともに、できる限り早期の 飼料穀物の輸入実施を望むと表明している。 【シドニー駐在員 井田 俊二 平成18年11月9日発】
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