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フィードロット飼養頭数、収容能力記録をいずれも再更新(豪州)


飼養頭数は94万頭、収容能力も113万頭に、稼動率は高水準を維持

  豪州フィードロット協会(ALFA)は8月23日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査によ
る四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。これによると、2006年6月末時点の総飼養
頭数は、前回調査(2006年3月末)に比べて5%増の94万頭と、前回調査時に記録した過去最高飼養頭数を再
び更新した。また、フィードロット収容可能頭数も、前回調査比3%増の113万2千頭と、同じく過去最高と
なった。この結果、フィードロットの稼働率は、前回調査から1ポイント上昇の83%と、高水準を維持してい
る。



飼養頭数、収容能力の増加は東部主要州での増加がけん引

  フィードロットの飼養頭数を州別に見ると、主要肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州、ニュー
サウスウェールズ(NSW)州での増加が目立っている。また、フィードロットの収容能力についても、同じ
くこれらの州での拡大(QLD州:2万9千頭、NSW州:8千頭)が、全体の収容能力を拡大させるけん引
材料となっている。





  フィードロットの飼養頭数を仕向け先別にみると、輸出向け飼養頭数は57万6千頭、飼養頭数に占める輸
出向け割合は61.4%と前回調査に比べいずれも若干の減少となった。一方、国内向けについては、安定した
牛肉の品質を求めるスーパーなどの需要を背景に、引き続き増加している。







さまざまな変化が想定、成長度合いを予測するのは困難

  フィードロット飼養頭数の増加理由についてALFAでは、突発的な要因ではなく、牛肉の主要輸出市場
であるアジア市場で米国産牛肉の輸入が停止されたことによる輸出需要や、豪州国内での好景気を背景とし
た強い牛肉需要が、今日のフィードロット収容能力の拡大、飼養頭数の増加につながっているとしている。
また一方で、QLD州やNSW州など主要肉牛生産地での少雨(放牧地での牧草不足による素牛の出荷促進)
も、これを後押ししているとみている。

  一方、大手パッカーが所有する一部のフィードロットでは、素牛価格の上昇や豪ドル高を要因に輸出市場
での苦戦も伝えられることから、短期間で回転させる国内向けにシフトする動きも出てきており、これもフ
ィードロットの稼働率などを向上させる要因の一つといえる。

 今後の見通しについてALFAでは、今後、さまざまな変化(豪州国内の生産動向や米国産牛肉の輸出状
況など)が想定される中で、さらなる成長度合いを予測するのは、現時点では難しいとしている。



【シドニー駐在員 横田 徹 平成18年8月29日発】



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