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豪州連邦政府、現行水準での酪農事業課徴金の継続を決定


DAの勧告を受けて、連邦政府が乳業課徴金の水準を決定

 豪州農漁林業省のマクゴラン大臣は3月27日、国内酪農家から徴収している生産者課徴金のうち、デイ
リー・オーストラリア(DA)の運営主体分である酪農事業課徴金(Dairy Service Levy)を現行水準のま
ま継続することを表明した。これは、DAが本年2月12日から3月16日にかけて、国内酪農家を対象に現
行の酪農事業課徴金について投票を行い、この評価結果を同省に対し報告し最終的に政府が決定したもの
である。この課徴金は、DAが行っている研究開発、促進事業などの財源として利用されている。


投票数の64%が現行水準での課徴金の維持を支持

 DAが行った投票は、前年度(2005/06年度)に生産者課徴金を納付した酪農家を対象に課徴金納付額1
豪ドル当たり1票として実施された。この投票では、今後の望ましいと思われる課徴金の額をあらかじめ、
@15%増額(0.365豪セント/リットル(約0.347円:1豪ドル=95円))、A現状維持(0.315豪セント/リ
ットル(約0.299円)、B課徴金の廃止、の3通り設定し、投票者がその中から選択する。

 全有権者数(9,540者)の53%に当たる5,039者から返答があり、投票の結果、投票数の63.66%で現行水
準の課徴金を維持すべきであるとの結果となった。選挙結果は次のとおり。






DAは、今後、5年以内ごとに酪農事業課徴金のあり方について投票を実施

 今回の一連の手続きは、2006年10月に定められた「酪農製品(酪農事業課徴金)規則2006」に基づき行
われたものである。この規則では、酪農事業課徴金に関する業界の運営組織であるDAが、一定期間ごと
に酪農家を対象に酪農事業課徴金のあり方について投票を行うことが定められている。

 さらに、DAはこの投票結果に基づき、酪農家が支払い得る課徴金の額を農漁林業省大臣に報告し、こ
れを受けて同大臣が課徴金の額を決定することとなっている。また、DAは今回の酪農事業課徴金に関す
る報告後、5年以内ごとに同様の手続きをとらなければならない。DAは2003年に新たな組織として設立
されたが、酪農事業課徴金の額が酪農家の意向を踏まえて決定されたのは今回が初めてである。


業界団体は投票結果を肯定的に評価

 現行の酪農事業課徴金の額(0.315豪セント/リットル)は、ほぼ生乳の農家販売価格の約1%に相当す
る。昨年度に酪農事業課徴金として徴収された額は、約3,200万豪ドル(約30億4千万円)で、このほか、
政府から研究開発資金:約1,500万豪ドル(約14億2,500万円)がDAで実施する事業の財源として拠出さ
れた。1酪農家当たりの年間平均課徴金支出額は、約3,000豪ドル(約28万5千円)程度となる。

 DAをはじめとする業界団体では、今回の投票結果について、おおむね肯定的に評価している。投票数
の68パーセントが酪農事業課徴金に賛同していることは、これまでDAで行っている事業が評価された結
果である。また、酪農事業課徴金を廃止すべきとした32パーセントについては、厳しい干ばつに直面し、
経営上困難な選択を迫られている状況において、やむを得ない面があるとコメントしている。



【シドニー駐在員 井田 俊二 平成19年3月29日発】



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