豚肉

(1)　消費

　横ばい傾向で推移

・　近年、豚肉の消費量は、引き続き増加傾向にあるものの、伸び率は鈍化してお
　り、2年度は前年と同水準で推移した。直近3ヵ月（1〜3月）では前年同期比98.6
　％となった（図16）。

・　豚肉の消費の約4割を占める家計消費は、2年度に入ってからは前年水準をわず
　かに下回る水準で推移している（4〜2月前年同期比99.2％）（図17）。

・　加工用需要は、2年度に入ってからは豚肉加工品の生産が総じて低調なことか
　ら、5月以降3年1月を除き前年同月を下回って推移している（4〜2月前年同期比
　96.9％）。

(2)　生産

　平成2年度に入り減少傾向

・　60年度以降、110万トンを若干上回る水準で安定的に推移してきたが、2年度は、
　107万トン（前年度比96.2％）と前年度を下回った。直近3ヵ月（1〜3月）では前
　年同期比95.1％となった（図18）。

・　4月の全国と殺頭数は、速報値によると1,724千頭（前年同月比100％）である。

表6　豚肉生産出荷予測
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：千頭、（　）内前年同月比　％）

資料：農林水産省畜産局
　注：１　＊は予測値
　　　２　「肉畜鶏卵等生産出荷調整事業」実施都道府県の調査結果等をもとに
　　　　全国の肉豚出荷の動向を予測したものである。

・　5月の全国出荷頭数予想値は、1,671千頭（前年同月比96％）であり、減少傾向
　を見込んでいる（表6）。

・　平成3年2月1日の畜産統計によれば、子取り用めす豚は、1,108千頭と前年2月
　に比べ6.3％の減少となっている。

(3)　輸入

　在庫増から低迷

・　輸入は、2年6月以降前年水準を大きく割り込んでいたが、3年1〜3月では前年
　同月比98.6％とやや回復基調にある。2年度でみれば前年度比93.3％と前年水準
　をかなり下回った（図19）。

・　2年度末在庫は、69千トンとなり前月に比べ約6百トン増加した（図20）。

・　AA食肉協議会によれば、4、5月の輸入見通しは、それぞれ24千トン、33千トン
　となっている。

（参考）　単位：千トン

(4)　価格
　9月以降低迷していた価格は回復へ　

・　9月以降低迷していた価格の推移を受けて、3年1月から、生産者団体等が豚肉
　を冷凍保管して市場隔離する事業団の指定助成対象事業による調整保管が開始さ
　れた。その後の生産減とこれら一連の対策の効果もあり、2、3月の卸売価格（2
　月468円／kg、3月496円／kg）は中心価格付近にまで回復しており、4月の速報値
　によると541円／kgであった（図21）。

・　5月の東京・大阪市場の卸売価格（「省令」）は、肉豚出荷頭数が前月をやや
　下回ると見込まれること、季節的な消費性向等からみて、前月をわずかに上回る
　水準で推移するものと見込まれる（農林水産省畜産局）。

（参考）

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