牛肉需給の要約と最近の動向


これまでの要約

 消 費
・ 2年度を通して前年比大幅なプラス

 輸 入
・ 概ね2年度前半は前年比マイナス、7月以降プラス

 国内生産
・ 2年4月から6月まで前年比マイナス、7月以降プラス


3月の動きとその後の動向
 消 費

・ 輸入牛肉は、輸入自由化セールがスーパーを中心に実施され、セール期間中は、
 通常価格の2〜3割引で販売、3月の売上げは、スーパーでは前年同月比5〜10割増
 を達成した模様。

・ 和牛の売れ行きについても、輸入牛肉の販売増に引っぱられる形で増加した反
 面、輸入牛肉と競合関係にある乳用種は、輸入自由化セールの影響を受けて売上
 げを下げた。また、一部スーパーでは、輸入牛肉の販売面積を拡げたことやそれ
 に伴う人手不足等により乳用種の販売が制限されたところもあったようである。

・ このような中で、3年3月の推定出回り量は、前年同月比107.4%とかなりの増
 を示した。

 輸 入

・ 2年10月以降前年同月を上回っていたが、3年3月は、97.5%と前年を下回った。

・ 自由化以後4月半ば頃迄は民間在庫の消化が主流となるので、4月の通関数量は、
 3万トン前後と見込まれる。

・ チルド需要が引き続き強くなっており、4月の通関量の約半数程度は豪州及び
 米国産のチルドビーフが占めるとみられる。

・ 5月の予想通関数量は、4月並みか1割程度の減と見込まれ、依然としてチルド
 志向が継続されると見込まれる。

 国内生産

・ 3年3月の和牛のと殺頭数は前年同月比6.9%の増、乳牛は乳用おす牛のと殺減
 (93.9%)が響き、98.5%と2月同様前年同月を下回る。成牛計では101.8%とな
 る。

・ 4月の和牛のと畜頭数は、概ね105%で推移、同じく、乳牛のと畜頭数は、概ね
 103%で推移しており、4月の牛肉国内生産量は増加の見込である。

 牛肉の価格
国内産牛肉

・ 輸入牛肉と競合する乳用種の東京食肉卸売市場における3年4月の枝肉取引価格
 は乳おす牛「B−3」が前月比98.4%、同じく「B−2」が96.0%と落ち込んだ。

  しかし、和牛は依然として根強い人気があり堅調であった。

輸入牛肉

・ オセアニア産チルドビーフの卸売価格(仲間相場)は自由化直前の大量手当の
 影響を受けて、3月中旬に比べ4月中旬は、値下がりしている。

  5月は在庫の圧迫を受け更に値下がりが予測される。

  オセアニア産フローズンビーフは、ばら、ももが外食産業の手控えもあり4月
 中旬は値下がりしている。

・ 北米産のロインは、自由化直前にSBS、民貿、ホテル枠により大量に手当され
 た影響を受けて、3月中旬に比べ4月中旬は、値下がりしている。

  5月は在庫の圧迫を受けて更に値下がりが予測される。

肉用子牛の取引価格

・ 黒毛和種及び褐毛和種の4月取引価格は依然として高水準で推移しており、特
 に黒毛和種については、保証基準価格を大幅に上回っている。

・ 日本短角種の4月取引価格はやや持ち直したものの、引き続き、保証基準価格
 のみならず、合理化目標価格をも下回っている。

・ 最近低下している乳用種の4月取引価格は、前月に比べほぼ横ばい傾向である
 が、乳用種の「B−2」「B−3」の枝肉価格が低調であることから予断を許さない。


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