(1) 消費 伸びは横ばい傾向ではあるものの行楽シーズン需要に向かい増加の見込み ・ 2年度の推定出回り量は、前年度比0.2%増と横ばい傾向であった。直近3ヵ月 (1〜3月)では前年同期比98.4%と若干減少しているが、行楽シーズン需要に向 かい消費の増加が見込まれる(図22)。 ・ 鶏肉の消費構成のうち、約1/3を占める家計消費は、63、元年度と2年続けて 前年度を下回り、2年度に入ってからも前年を下回って推移してきたが、2月は前 年水準を上回り(前年同月比102.8%)、回復のきざしをみせている。 一方、近年、順調に増大してきた加工仕向は2年度に入ってからはほぼ前年を 下回って推移しており4〜2月では前年同期比0.6%減となっている(図23)。 (2) 生産 ブロイラー用ひなの出荷羽数の減少を背景に、前年水準を下回って推移 ・ 63、平成元年度は、横ばいで推移した鶏肉の生産は、2年度は前年度比98.8% と前年を下回った(図24)。直近3ヵ月(1〜3月)でも前年同期比96.9%と減少 している。 ・ ブロイラー用ひなの出荷羽数は63年度以降は前年度を若干下回る水準で推移し ており、2年度も前年度比96.7%と同様の傾向で推移している(3月前年同月比96 .0%)。 ・ 5月及び6月のブロイラー用ひなの出荷羽数はそれぞれ前年同月比3%減(4月は 前年同月比1%増)と見通され、また、ブロイラー出荷羽数はそれぞれ前年同月 比2%減(4月は前年同月比1%減)と見通されている(農林水産省統計情報部調 べ)。 (3) 輸入 横ばい傾向が継続 ・ 元年度に伸びが鈍化した輸入は、2年度も輸出国の高値基調、円安基調により、 月によって大きなバラつきはあるものの、おおむね前年度並みの水準で推移した (前年度比100.2% 3月90.6%)(図25)。 この結果、2年度末在庫は、49千トンと前月に比べ約3千トン減少した(図26)。 AA協議会によれば、4、5月の輸入見通しは、それぞれ25千トン、27千トンとな っている。 (参考) 6.平成3年輸入見通し (単位:万トン)
輸入国 | 輸入量 | 輸出国の状況 |
アメリカ | 10.0〜10.3 | 手羽肉を中心として外食産業向け需要が急増 |
タ イ | 12.0 | 新規参入企業もあり、相場が高く増産意欲大 |
ブラジル | 4.0〜4.3 | 政府の物価統制策もあり、鳥肉の需要増 |
中 国 | 2.6〜3.0 | 残留抗菌剤問題により国内生産減 |
その他 | 2.0 | |
計 | (前年比7.0%増) 31.0前後 |
資料:AA食肉協議会 (4) 価格 2年度に入っても強含み ・ 平成元年度の卸売価格は、前年度をかなり上回った(図27)。3月も引き続き 強含みで推移(239円/kg、前年同月比103.0%)し、2年度は246円/kg、前年度 比109.7%となった。
元のページに戻る