牛肉


5月の消費は前年を下回る

 4年5月の推定出回り量(消費量)は、生産量、輸入量とも前年同月を下回った
ことから58,867トン(対前年同月比93.1%)とかなり減少した(図1)。

 5月末の推定期末在庫は69,890トン(対前年同月比61.8%)、うち、輸入品在庫
は57,616トン(対前年同月比58.2%)で、事業団在庫は2,830トンとなっている(図
2)。なお、この事業団在庫は6月18日の売渡しをもって完売し、事業団は27年に
わたる輸入牛肉の売買に終止符を打った。


生産は前年割れ

 5月の生産量は、31,395トン(対前年同月比96.9%)と2年9月以来の前年割れ
となった(図3)。

 種類別と畜頭数をみると、和牛は去勢和牛がほぼ前年並み、めす和牛がやや増加
し、全体では38.9千頭(対前年同月比101.3%)とわずかに増加した。一方、乳牛
は前年同月のと畜頭数が多かったこともあり、乳おす、乳めすとも減少し、全体で
69.7千頭(対前年同月比95.2%)となった。


前年並みに戻った輸入量

 5月の輸入量は、30,805トン(対前年同期比97.2%)とほぼ前年同月の水準に戻
った(図4)。

 その内訳(くず肉、煮沸肉を除く。)は、チルドは16,395トンと相変わらず多く、
フローズンは14,202トンで、チルドの割合は53.6%であった。

 事業団が38商社から聞き取った独自の調査によると、6月は5月をかなり上回る
ものとみられ、全体の輸入量は約4万トン程度と見込まれる。


省令価格は1,000円を割る

 5月の省令価格(東京市場、以下同じ。)は、景気後退感の高まり、需要の端境
期、輸入牛肉の出回り量の多さなどから、960円/kg(対前年同月比75.0%)と4
月に比べ70円/kg値を下げ、6月の速報値でも1,004円/kgとなっている(図5)。

 和牛の価格は、高級物(A−5)が前年並みの水準で推移しているのに対し、A
−4以下は規格の低いものほど値下がり幅が大きくなっている。

 乳用種の価格は、5月は乳おす「B−3」1,014円(対前年同月比85.9%)、「B
−2」753円(対前年同月比85.6%)、乳めす「C−1」363円(対前年同月比96.0
%)と低い水準で推移している。6月の速報値でも乳おす「B−3」1,049円、「B
−2」745円、乳めす「C−1」372円となっている。

 また、5月の輸入牛肉の価格(国内仲間相場)は、北米産チルドは値を上げたも
のの、オセアニア産は全般的に値を下げた(図6)。


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