豚肉


減少傾向で推移する家計消費量

 5年6月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、ほぼ前年並みの11万8千707
トンとなった(▲0.5%)。

 しかしながら、消費の4割を占める家計消費量を季節調整済み値でみると、円高
の進行及び関税引き下げに伴う量販店等による輸入牛肉の販売促進の影響もあり、
今年に入り減少傾向で推移している(図1)。

国内生産量は増加傾向

 6月の国内生産量は、8万39トンとほぼ前年並みであった(0.5%)。

 国内生産量を季節調整済み値でみると、近年、小規模層を中心とした繁殖農家戸
数の減少等で、子取り用めす豚頭数が減少したため、減少傾向で推移してきたが、
今年に入りやや増加傾向で推移している(図2)。また、農林水産省畜産局による
と、7月の肉豚出荷頭数(見込み)は151万8千頭、8月は149万1千頭で前年をわずか
に上回ると見込んでいる。

過去最高となったチルドの輸入量

 6月の輸入量は、前年同月とほぼ同じ3万8千869トンであった(1.2%)。

 しかしながら、国産豚肉と競合するチルドは、この時期国内生産量が減少して国
内相場が高値になるという見込みから大量に輸入され、過去最高の1万1千780トン
となった。国別にみると、特に米国産が前年比で5割増の大幅増となった(図3)。
米国産は、輸送に要する時間は台湾産よりかかるが、生産量全体に占める輸出量の
割合が台湾より低く、「ロース」、「ヒレ」といった日本の需要が強い特定部位を
中心に輸入できることから急増しているようだ。

卸売価格は安値だった前年をかなり下回る

 7月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)の速報値は、6月に比べ27円/s値を上げ
516円/sとなったものの、安値だった前年をかなり下回る水準だった(▲10.1%)。

今月のトピックス
崩れた豚肉の夏場の高値相場

 豚の枝肉相場は、例年、夏場は豚の出荷頭数が季節的に減少するために高値となってきた。しかし、豚の卸売価格と供給量(国内生産量とチルド輸入量)の関係を図4でみると、去年から輸入チルドが夏場の国内生産量の減を補い、夏場でも卸売価格が安定上位価格を大きく上回ることなく推移していることがわかる。今夏の相場が軟調な理由が色々いわれているが、やはり一番の原因は豚肉の輸入チルドの影響ではなかろうか。



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