生乳生産量の伸びがさらに鈍化 5年6月の生乳生産量は、74万5千947トンと前年を上回ったものの、その伸びは前 月よりも鈍化した(1.1%)。また、生乳生産量を季節調整済み値でみると、3年、 4年は、一貫して増加傾向で推移しているが、5年に入ってからは、減少傾向で推移 している(図1)。 牛乳の消費に梅雨の低温が影響か 6月の飲用等向け処理量は、44万6千913トンと前年をわずかに下回った(▲1.8%)。 飲用牛乳の生産量の内訳をみると、加工乳は前年同であるが、牛乳は前年をわずか に下回っている。飲用等向け処理量を季節調整済み値でみると、4年の秋口にわず かに上向いたものの、5年に入ってからは、減少傾向で推移している(図2)。 バターは供給過剰 6月の乳製品向け処理量は、28万9千166トンと前年をかなり上回った(6.1%)。 これは、飲用等向け処理量が減少し、余剰の生乳がバター、脱脂粉乳に仕向けられ たものであり、バター、脱脂粉乳の生産量は前年を大きく上回った(バター21.9%、 脱脂粉乳10.7%)。このような供給過剰により、バター、脱脂粉乳の卸売価格は前 年から低下傾向にあり、特にバターの卸売価格はかなり低下している(図3、図4)。 今月のトピックス
今月からバターの過剰在庫を調整保管 バターの在庫は、昨年来増加の一途をたどり、適正在庫水準(2ヵ月程度)を大きく上回り、6月末現在で7ヵ月近い状況にある。このことから、平成元年度に畜産振興事業団の指定助成対象事業として、(社)中央酪農会議に造成した「生乳需給調整基金」による「生乳需給調整円滑化事業」を8月1日から発動することとした。 この事業は、@乳業メーカー等の過剰在庫バターの調整保管(2万9千8百トン)に要する経費に対する助成 A子牛等の飼料用として全乳を供給した場合に要する経費に対する助成を行うものである。 この事業の発動と併せて、生産者団体による需要に応じた生乳の計画生産への一層の取組み、乳業者による牛乳乳製品の積極的な需要拡大への取組みにより、需給改善を図ることとしている。 |
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