鶏卵


入荷量は前年をやや下回る

 農林水産省統計情報部によると、5年6月の札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の鶏
卵市場における入荷量は、3万4千478トン(▲4.1%)と前年をやや下回った。

 また、統計情報部による6月の採卵用ひなえ付け羽数は、対前年同月比4.4%増と
4月以来の高い伸びとなった。これを季節調整済み値でみると、4年8月頃から若干
上昇傾向で推移していたが、5年1月頃から横ばいで推移している(図1)。5年7、8、
9月の採卵用ひな出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年比106、100、100%と見込ま
れている。

 なお、家計消費量(総務庁)は、5月もほぼ前年並みとなっている。


前年をかなり上回った卸売価格

 6月の卸売価格(東京平均)は、5月より8円値を下げ159円/sとなってる。前年
同月比でみると、かなり上回っている(8.2%、図2)が、前年6月が147円/kg(▲
31.9%)と極端に安値であったためであり、依然として低迷基調にある。

 また、7月の全農の東京M規格平均価格(速報値)は、供給過剰基調が続いている
ことに加え、長雨の影響等により末端消費が鈍ったことから急落し、138円/kg(▲
4.2%)となっている。

 なお、7月も補てん基準価格(173円/s)を下回るため、(社)全国鶏卵価格安定
基金と(社)全日本卵価安定基金は、補てんを行うことを決定した(補てん価格は36
円/s)。これで補てんは3月から5ヵ月連続となった。

 また、この価格低迷を受けて全国液卵公社は7月19日から市場からの買入れに入
った。


今月のトピックス
平成4年の採卵鶏の収益性が悪化

 「平成4年鶏卵生産費」(農林水産省統計情報部)が7月に公表された。これによると生産費総額は30万2千567円(産卵鶏100羽当たり、以下同じ)と、前年に比べやや減少した。しかし、粗収益が27万2664円(▲26.3%)と前年に比べ大幅に減少したために、所得も1万3404円(▲87.4%)と大幅に悪化した。



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