牛乳・乳製品


生乳生産、前年を下回る

 5年9月の生乳生産量は、69万4千30トンと今年度初めて前年をわずかに下回り、
減少に転じた(▲0.1%)。北海道、都道府県別にみても、両者ともに前年をわず
かに下回っている(両者とも、▲0.1%)。また、生乳生産量を季節調整済み値で
みると、5年度に入ってから、ゆるやかな減少傾向である(図1)。


牛乳消費は低迷

 飲用牛乳等生産量のうち、はっ酵乳だけは前年をかなり上回っている(11.6%)
が、それ以外の飲用は、すべて前年を下回っている。9月の飲用牛乳等向け処理量
は、44万3千198トンと前年をやや下回り(▲4.7%)、これを季節調整済み値でみ
ると、5年に入ってから、一貫して減少している(図2)。


バターの価格は安定指標価格を下回る

 9月の乳製品向け処理量は、24万916トンと先月に引き続き前年をかなり上回った
(9.4%)。バター、脱脂粉乳の生産量は、先月よりさらに伸びが大きくなった
(バター24.8%、脱脂粉乳12.9%)。この結果、バター、脱脂粉乳の卸売価格は、
低下傾向にあり、下落を続けているバターは、ついに、安定指標価格(1,032円/
kg)を下回り、1,023円/kgとなった(図3、4)。


今月のトピックス
肉用牛に取り組む酪農家が増加

 農水省が10月21日に公表した酪農部門の構造動態調査(平成5年1月1日現在)によると、酪農家で肉用牛を飼養している農家の割合は、昨年より4%増加し23%となり、特に、交雑種の飼養農家が目立って増えている。また、最近のヌレ子等の価格の低落に対する経営の対応策をみると、20頭未満の規模では、交雑種等の肉用牛の増産が多いのに比べ、20頭以上の規模では、搾乳牛の増頭で所得を確保しようとしている。



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