鶏肉


前年並みで推移する生産量

 9月の鶏肉の生産量は、ほぼ前年並みの10万7千466トンであった(農林水産省食
肉鶏卵課推計)。上半期の生産量をみても、季節的な変動はあるものの、ほぼ前年
並みで推移している(図1)。


7月以降、増え続ける輸入量

 9月のブロイラーの輸入量は、3万8千728トンと前年を大幅に上回った(18.5%)。

 4〜6月は前年を下回っていた輸入量も円高を背景にして7月以降は大幅に増加し
た結果、上期の輸入量はほぼ前年並みとなった。国別のシェアでは、米国31.2%、
タイ30.2%、中国21.9%の順となっており、米国および中国のシェア拡大が目立つ
(図2)。なお、中国からはチルドの輸入があるものの、数量的にはまだ少ない。


昨年の2倍を超える国産品在庫

 9月の推定出回り量(消費量、骨付き肉ベース)は、14万5千552トンと前年をか
なり上回った(4.9%)。

 しかしながら、中国産などが大量に輸入されていることなどから、推定期末在庫
は10万9千794トン(27.4%)と高水準となっている。特に国産品の在庫は前年の2
倍を超える水準が続いている。在庫量を季節調整済み値でみても、昨年の秋以降、
一環して増加傾向で推移している(図3)。


輸入品に押され、卸売価格は弱含み

 9月のもも肉、むね肉の卸売価格(東京)は、それぞれ502円/kg(対前月▲0.4%)、
300円/kg(対前月▲2.9%)となった。

 東京の中値は、9月後半に入り天候の回復もあって行楽向けの需要が回復したこ
となどから急騰したが、10月中旬には一服し、10月30日現在ではそれぞれ545円/
kg、337円/kgとなっている(図4)。通常はこの時期に増加するパーティーなど業
務用需要が盛り上がらず、逆に安い輸入品に押されているようだ。


今月のトピックス
弁当・惣菜に使用される食肉の約7割は鶏肉

 (財)外食産業総合調査研究センター「中食市場におけるメニュー動向と食肉需要特性に関する研究」によると、弁当、惣菜に使用される食肉は、牛肉が1社平均(有効回答63社中)で年間184.7トン、豚肉が180.0トン、一方鶏肉は862.6トンであり全体の7割を占めている。このように、鶏肉を使用した弁当や惣菜が多い理由は、鶏肉の単価が安く食材費のウェイトを抑えることができ、また、冷えた状態になった時の食感や味が、他の食肉ほど大きな変化を感じさせないためである。



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