鶏卵


ひなえ付け羽数は前年をやや上回る

 農林水産省統計情報部によると、5年9月の札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の鶏
卵市場における入荷量は、3万3千641トン(2.6%)と前年をわずかに上回った。

 また、統計情報部による9月の採卵用ひなえ付け羽数は、対前年同月をやや上回
った(4.0%、図1)。5年10、11、12月の採卵用ひな出荷羽数の見通しは、それぞ
れ対前年比96、98、89%と見込まれている。

 なお、8月の家計消費量(総務庁)は、前年同月をわずかに上回った(1.9%)。


わずかな輸入量

 9月の輸入量は3,347トンとわずかであり、前年同月に比べかなりの程度減少した
(▲9.8%、図2)。


かなり下回った卸売価格

 9月の卸売価格(東京平均)は、8月より17円値を上げ162円/kgとなったが、前
年同月比でみるとかなり大きく下回っている(▲13.3%)。

 また、10月の卸売価格は、特売需要が一段落したことと、強制換羽明けの鶏が復
帰したこと等から値を下げ、全農の東京M規格平均価格(速報値)は、180円/kg
(▲7.7%)となった。さらに、11月1日には10月末までの175円/kgから15円急落
し、160円/kgとなった。

 10月も補てん基準価格(173円/kg)を下回るため、(社)全国鶏卵価格安定基金
と(社)全日本卵価安定基金は、補てんを行うことを決定した(補てん価格は3円)。
これで補てんは3月から8ヵ月連続となった。


今月のトピックス
これからの需要増に期待

 鶏卵の生産量は慢性的な供給過剰が続いていることと、景気後退の影響による業務・加工需要の不振から卸売価格は前年に引き続き低水準で推移している(図3)。11月も月初めに急落したが、これからの需要、特に年末年始にかけての需要に期待したいところである。



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