この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
北海道十勝支庁管内では、 酪農、 肉牛、 畑作経営などの土地利用型農業が展 開されている。 酪農や肉牛経営は国際競争に備え、 いち早く規模拡大が進めら れ、 全道一の乳肉生産地となっている。 しかし、 規模拡大により家畜の糞尿が 増加し、 またサイレージ多給による糞尿の高水分化が問題となっており、 その 腐熟化が関心事となっている。 鹿追しかおい町では、 関係機関で組織する 「ふん尿有効活用研究会」 を中心 に個別完結型の処理法を検討している。 研究会では将来、 酪農専業経営の半数 がフリーストール・ミルキングパーラー方式に移行することを想定し、 水分が 多くなるふん尿を固体と液体に分離し、 それぞれ有用菌を活用して堆肥化、 液 肥化することを検討している。 豊頃とよころ町では酪農家100戸の糞尿を地 域全体で活用する計画を立てている。 この計画は、 農業者、 町、 JA、 民間会 社の出資による第3セクター法人を設立し、 大型機械・施設を使って町内5地 区に設置する堆きゅう肥供給施設で糞尿を腐熟化するもの。 できあがった堆き ゅう肥は、 各地区土づくりの会を中心に、 コーン、 やさい等の畑地6, 000haに 還元する計画である。 個々の酪農家の投資限界に配慮した方式で注目される。 また、 更別さらべつ村や芽め室むろ町でも方法は違うが畑作農家の土づくり をねらった堆肥づくりが推進されており、 地域の条件にあった試みの成果が期 待されている。 年次は平成15年になっており、 @環境にやさしく高収益な農業 Aゆとりある農業経営 B活力とうるおいのある農村の3つの柱が展開目標に なっている。 このなかで農業経営のめざす姿として、 各作目ごとに経営類型が示されてい る。 酪農と肉用牛の経営類型は、 年間休日48日を目標としており概要は次のと おりである。 市町村段階ではこれを参考にして、 地域の実態に即した経営類型 が検討される。 なお、 類型試算の生産物価格は平成3年価格を基本にしてい る。