加工乳・乳飲料の乳脂肪率別生産実態

〜 加工乳・乳飲料の生産実態調査より 〜

      乳 業 部 


 この報告は、 事業団が財団法人経済調査会に委託して実施した 「加工乳・乳飲
料の生産実態調査」 の結果を取りまとめたものです。 
第1章 調査の概要
1 調査の目的

    普通牛乳の消費が伸び悩む中で、 加工乳・乳飲料が比較的堅調な伸びを続けて
  いる。 その中でも低脂肪タイプのものが著しい伸びを示していると言われており、 
  これらの消費動向が乳製品需給や普通牛乳の消費に影響を与えると考えられるの
  で、 その生産実態を調査することにより、 乳製品需給を的確に把握することを目
  的としている。 
  
2 調査の方法
(1) アンケート調査
 
    加工乳・乳飲料を生産している乳業工場234工場に調査票を送付して行った。 有
  効回答票は182票で、 回収率は77. 8%であった。 

(2) 調査期間
  
   平成3年度と平成4年度

3 加工乳・乳飲料とは

(1)加工乳は、 生乳以外に脱脂粉乳やクリームなどを原料としたもので、 成分調整
    が可能なことから、 濃厚牛乳、 ローファットミルクなどがある。 

(2)乳飲料は、 牛乳乳製品を含む様々な飲料のうち、 乳酸菌で発酵させていないも
   ので、 コーヒー、 フルーツなど好みの風味等を加え甘みをつけた製品である。 
   なお、 この調査では乳飲料 (全体)、 同 (フレーバーもの)、 同 (フレーバーも
   の以外) に分類して実施した。 

第2章 乳脂肪率ごとの生産量
1 加工乳

 加工乳の生産は、 脂肪率が低めもの (特に脂肪率1. 0〜1. 5%) と脂肪率が高めも
 の(特に脂肪率3. 5〜4. 5%) に大きく分かれている。 総生産量は3年度から4年
 度にかけ2. 4%伸びているが、 乳脂肪率毎の内訳をみると、 低脂肪のものが前年比
 24. 4%と大きく伸びたのに対し、 高脂肪のものは8. 0%の減となっている。 

2 乳飲料
 
  4年度の乳飲料の生産は、 低脂肪のもの (脂肪率0. 5〜1. 0%)が総生産量の57. 8
 %を占めており、 これを含め、 2. 5%未満の乳脂肪率の製品がその生産量を伸ばし
 ているのに対し、 3. 0%以上の乳脂肪率の製品はその生産量を僅かではあるが減ら
 している。 

(1) 乳飲料 (フレーバーもの) 

  コーヒーやフルーツ等の風味を加えた乳飲料の生産は、 3年度から4年度にかけ
 4. 4%増えており、 総生産量の70. 7%を占め、 乳脂肪率が0. 5〜1. 0%の低脂肪
 率の製品が4.0%伸びている。 その他の生産量の変化はまちまちであった。

(2) 乳飲料 (フレーバーもの以外) 

  乳糖を分解したり、 牛乳に各種のビタミンやミネラルなどを強化した乳飲料の生
 産は、 乳脂肪率2. 5%未満の製品がいずれも伸びているのに対し、 乳脂肪率3. 0%
 以上のものは全て減少しており、 ここでも低脂肪の製品に対する需要が高まってい
 ることがうかがえる。 また、 乳脂肪率2. 0%〜2. 5%の製品の生産量は、 総生産量
 の過半を占めている。 
第3章 乳脂肪率ごとの生産量構成比
1 加工乳
 
  乳脂肪率2. 0%未満の製品の生産量構成比は、 平成3年度から4年度にかけて6. 4
 %の伸びを示しており、 低脂肪乳に対する嗜好が強まっていることがうかがえる。 

2 乳飲料

  平成3年度と4年度について生産量構成比に大きな変化は見られない。
 
(1) 乳飲料 (フレーバーもの) 

  平成3年度と4年度において生産量構成比に目立った変化は見られない。 全体とし
 て僅かではあるが1. 0%未満の乳脂肪率をもつ製品の構成比は高まっているといえる
 ものの特に大きな変化は見られない。 

(2) 乳飲料 (フレーバーもの以外) 

  平成3年度と平成4年度にかけての変化を見ると、 特に乳脂肪率2. 0%〜2. 5%未
 満のものの構成比が高まっていることが特徴である。  
 
 

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