減少傾向で推移する生産量 6年2月の国内生産量は、7万8千496トンと前年をわずかに上回った(2.7%)。 生産量は、5年4月〜6年2月までの累計では前年を上回っているが(0.7%)、 最近の動向を季節調整済み値でみると減少傾向で推移している(図1)。 なお、 農林水産省畜産局によると、3月の肉豚出荷頭数は前年を下回る149万6千頭(▲1 %)、4月は前年並みの165万9千頭と見込んでいる。 注目される4月以降の輸入動向 2月の輸入量は、2万9千990トンとなった(▲1.4%)。輸入量を季節調整済み 値でみると、増加傾向で推移していたチルドがほぼ横ば いとなる一方、フローズン が引き続き減少傾向で推移していることから、全体で は減少傾向で推移している (図2)。 しかしながら、6年度の豚の安定基準価格は据え置かれたものの、安定上位価格 が25円/kg引き下げられたことに伴い、差額関税制度の基準輸入価格が12.50 円/ kg(部分肉換算で16.67円/kg)引き下げられて470円/kg(同626.67円/kg)にな ることから、4月以降の輸入動向が注目される。 消費は前年をわずかに上回る 2月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、国産品が堅調であったことか ら、10万8千897トンと前年をわずかに上回った(2.3%)。一方、推定期末在 庫 量は前月とほぼ同じ8万7千50トンで、前年をやや上回る水準となっている(5.1 %)。 低水準が続く卸売価格 2月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、寒波の影響などにより下旬には一時 500円/kgを超え、1月より24円/kg値を上げて439円/kg(▲4.8%)となり、一 時相場回復の模様がみられた。 しかし、3月(速報値)は2月より10円/kg値を上げ449円/kgとなったものの、 需給の緩和感は消えず、前年より60円/kgも安い水準である(▲11.8%、図3)。 今月のトピックス
時系列分析による豚肉の生産量の予測 豚肉の生産量は、2年度以降、前年をやや下回って推移していたが、5年度は前年をわずかに上回る水準で推移している。今後2年間、生産量がどのように推移するかをセンサス局法(X−11)で時系列予測すると、図4のようになる。これをみると、ゆるやかなカーブを描いて減少傾向で推移することがわかる。しかしながら、時系列分析は過去のデータを重視したものであり、したがって、今後、卸売価格や輸入量の動向、環境問題等の要因が生産量にどのような影響を与えるかは加味されていないので、注意を要する。 |
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