〔牛 肉〕 前年を大幅に上回った推定出回り量 6年2月の推定出回り量(消費量)は、輸入量が引続き高水準(53.7%)であ ったため輸入品の出回り量が前年を大幅に上回り、全体でも7万1千510トンと前 年を大幅に上回った(22.2%、図1)。 2月末の推定在庫は7万8千549トンで、国産品が前月とほぼ同じであったが、 輸入品が前月をやや下回る6万7千608トン(▲5.7%)と年度末を控えて在庫が 減少傾向にある。 牛肉生産量は、前年とほぼ同じ 2月の牛肉生産量は、前年とほぼ同じ3万1千499トンであった(図3)。 と畜頭数を種類別で見ると、去勢和牛がやや増加し、さらに、めす和牛が前年 を大幅に上回ったことから、和牛計では4万3千659頭と前年をかなり大きく上 回った(12.3%)。一方、乳牛は、乳めすがほぼ前年並みであったものの、乳用 肥育おす牛がやや減少したことから乳牛計で6万7千474頭と前年をわずかに下 回った(▲2.8%)。その結果、成牛全体では11万3千201頭と前年をわずかに上 回った(1.9%)。 高い水準で推移する牛肉輸入 2月の輸入量は、冷蔵品2万3千437トン、冷凍品1万3千120トン、その他 (煮沸肉、ほほ肉、頭肉)94トン、合計3万6千651トンと引続き非常に高い水 準で推移している(図5)。 事業団の独自の調査によると、3月の輸入見込みは、冷蔵品2万9千トン、冷 凍品1万9千トン、合計約4万8千トン前後と前月及び前年同月と比較して大幅 に上回ると見込まれ、また、4月については、3月よりも1千トン増加し、4万 9千トン前後(冷蔵品2万8千トン、冷凍品2万1千トン)になるものと見込ま れる。 堅調な枝肉卸売価格 2月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、1,101円/kgと前年をかなり上回 った(11.9%、図6)。3月の価格(速報値、瑕疵のある枝肉を除く)は、1,054 円/kgと前月をわずかに下回っている。 3月の和牛の主要クラスの価格は、和去勢「A−5」が平均で2,647円と2,600 円台を回復し、2,700円を超える日も多く堅調に推移した。また、和去勢「A−4」 でも、月間の平均価格は1,975円となっているものの下旬にかけて2,000円台を超 える日が多くなった。 一方、2月から3月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、2月に なっても輸入増が止まらず、総体的な荷余り感が依然続いていることから弱含み で推移している。その中で、原産地価格の上昇を受けて豪州産チルドフルセット の価格が一時700円台を回復したことと、チャックアンドブレード、カウミート が大幅に値を上げているのが目立っている。 〔肉用子牛〕 黒毛和種は前月をわずかに下回る(2月速報) 2月の黒毛和種の子牛取引頭数は、2万8千頭で前年をやや上回り、取引価格 は雌雄平均で前月を1万円下回る32万2千円/頭となった。雄子牛については、 昨年6月の33万円台/頭を底に、肥育農家側での和子牛の導入意欲に支えられ、 小幅ではあるが価格を持ち直しつつあり、月平均で36〜37万円台の動きとなって いる。3月の速報値(3月30日現在。以下同じ)では、雌27万1千円/頭、雄34 万9千円/頭、平均31万4千円/頭とわずかに前月を下回っている(図7)。 ヌレ子は回復(2月速報) 2月の乳用種の子牛取引頭数は、3千382頭で前月を600頭ほど上回った。取引 価格は雄子牛が値を価下げたことから雌雄平均で8万1千円/頭とやや値を下げ た。3月の速報値では、雌雄とも軟調であり平均7万3千円/頭とかなり価格を 下げている。 2月の乳用種のヌレ子の価格は4万9千円/頭と低水準であったが、3月の速 報値では5万4千円/頭と5万円台を回復している(図8)。 今月のトピックス
一層拡充される子牛生産拡大奨励事業 肉用牛生産基盤の強化を図るため、6年度から黒毛和種について子牛生産拡大奨励事業が一層拡充される。 ポイントは次のとおり。 @子牛生産奨励金(維持)と子牛生産拡大奨励金(拡大)の発動基準価格が35万円に一本化される。 A奨励金の単価は子牛の平均価格が発動基準価格を下回った程度に応じて下表のとおり設定される。 なお、子牛価格は肉用子牛生産者補給金制度において定められる四半期ごとの平均売買価格が用いられる。
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