この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(北海道 牧瀬邦弘)
先月号に引き続き、北海道の4年度結果(9,489戸)を報告する。 1戸当たりの経営の実態をみると、次のようになっている。 生乳出荷量 3年実績 271t(5年見込 317t、7年見込 358t) 飼養頭数 経産牛42頭、育成牛36頭 経営耕地面積 40.3ha(自給飼料作付面積 32.8ha) フリーストール牛舎は4.7%がすでに実施されており、検討中が23%である。 ミルキング・パーラーは3.8%が導入、19%が検討中となっている。これら施設 の導入意向は50〜99頭層が高く、100頭以上の層では実施率が5割にのぼる。ま た、実施を検討しているのは、労働時間の長い層、若い経営主層が多い。 ふん尿処理は、12.8%が困っていると回答しており、大規模層の方が困ってい る割合が高い。 酪農技術の相談先は、JA、獣医師・人口受精師、普及所が多い。経営管理の相 談先は8割がJAをあげ、普及所(31%)、酪農家(25%)となっている。 提供を希望する情報分野は、4割が経営診断と回答している。規模が大きくな るにしたがって経営診断、税務を望む声が多くなる。小規模層は乳質改善、中規 模層で飼料生産・調製技術を希望する率が高い。 経営の継続意向では、「1年以内に中止」が1.2%、「2〜5年以内中止」が 7.3%、「わからない」との回答が41.4%を占めた。 酪農離脱農家(313戸)の調査をみると酪農中止理由の1番は、「高齢化・後 継者がいない」24%、ついで負債が15%、労働力不足が13%となっている。 中止者の2割は、3年の調査時に「経営を継続」と回答している。また、中止 後は「他産業へ従事」が多かった。