◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  「畜産サミット i n 遠野」 を開催

                                                          (岩手県 川畑 茂樹)

 


 「民話の里」 として知られている岩手県遠野市において、 県の畜産担当者や学
識経験者、 同市の農家ら約80名が出席して、 今後の畜産の活性化策について話
し合う 「畜産サミットin遠野」 が9月1日に開催された。 遠野は、 南部曲がり
屋が残る古くからの南部駒の産地として馬の里づくりに取り組んでいるほか、 
広大な牧場資源を背景とする大家畜の飼養頭数の拡大に努めるなど、 地域畜産
の活性化に積極的な地域である。 
 
  今回のサミットは、 畜産情勢が一段と厳しさを増している中で、 畜産の振興
に懸命に取り組んでいる地域や若い生産者が健在であることを広くアピールす
るため、 「畜産岩手の活性化を遠野から発信」 をメインテーマに掲げ、 岩手県
の農政推進組織の地方支部である 「活力ある我が村づくり運動遠野地方推進協
議会」 が地元遠野市、 宮守村、 JAとおのとの共催で開催したものである。 

  参加者は、 最初に市内の乗馬スクール、 JAとおの種雄牛管理センター、 遠野
馬の里を視察した後、 学識経験者、 試験研究員、 繁殖農家、 食肉店経営者ら5
人をパネリストに熱心に討論を交わした。 
 
  サミットでは、  @単に家畜改良や牛の生産だけでなく 「自然」、 「安全」 と
いった観点から畜産物をつくるという発想の転換、  A若い経営者の育成と、 
高齢農家の支援体制づくり、  B食の嗜好性を左右する子供の時からの正しい
食生活の普及など各分野にわたって活発な提言・討議がなされた。 
 
 地元では今回のサミットの盛り上がりを受け、 新しい発想のもとで、 関係者
一丸となった畜産の活性化に向けた取り組みを一層推進することとしている。 
 

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