◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  バラ株を利用した環境美化

                                                          (愛知県 柳澤 淳二)

 


 愛知県の豊橋農業改良普及所では、 平成4年から、 バラのロックウール栽培
(固いスポンジ状の 「ロックウール」 を苗床とし、 水、 液肥を与えて育てる方
法)をしている農家で改植する際に廃棄される古いバラ株を、 豊橋市杉山町の養
豚農家に無料配布し、 豚舎周辺に植えることによって畜舎まわりの環境美化に
取り組んでいる。 バラのロックウール栽培では株を約3年毎に改植するため、 
毎年、 廃棄株は数千本単位で出てくる。 これまで廃棄株を田畑へ鋤き込んで処
理していたが、 養豚農家がハウスから搬出してくれれば、 処理の手間が省ける
上に、 環境美化に協力することにもなり、 一石二鳥と歓迎している。 
 
  養豚農家にとっても、 一度定植すれば10年近く美しいバラの花が咲き、 しか
も花をつける期間が長いので、 低コストで環境美化が図られると好評である。 
 
  平成6年度はこの活動がさらに広がり、 豊橋市内の約6割の養豚農家59戸が
組織する養豚経営環境対策協議会が、 5月に約1千株、 6月に約2千株を会員
各戸に配布し、 組織的な環境美化活動にまで発展した。 
 
  この活動の模様は新聞やテレビニュースで紹介され、 一部の酪農、 肉牛農家
でも廃棄株の利用が始まっている。  

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