◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

フリーストール・ミルキングパーラーの普及実態

(北海道 黒沢 不二男)

  このほど、 北海道農政部酪農畜産課では、 平成6年度 「新搾乳システムの
普及状況調査」 を公表した。 
 
 フリーストール牛舎は、 平成7年2月現在で644戸、 普及率は5. 6%とな
っている。 フリーストール・ミルキングパーラー方式導入農家の飼料給与形
態は、 「TMRのみ」 が45.7%、 次いで 「分離給与」が22.4%、 その他は折衷方
式。 群分けでは全体の84.5%が2群以内であるが、 中には6群による飼養管
理を実施している事例もあった。 
 
 ミルキングパーラーは、 平成7年2月現在では567戸が導入しており、 平
成6年2月現在の酪農家戸数12,600戸の4.5%を占め、 前年比 0.7ポイント
増加。 導入農家を経産牛の飼養規模別にみると、 70%の401戸が60頭以上 
(道平均40.2頭) となっている。 地域別には網走・十勝・釧路・根室の4市
庁で全体の80.6%に達する。
 
 型式別には、 ヘリンボーン型が全体の45.1%、 次いでパラレル型が22.8%
である。 平成6年度に導入 (54戸) されたものは、 フラットバーン型が35%
、 次いでタンデム型が30%となっている。 

 いま注目を浴びているふん尿処理方式は、 「たい肥化」 が72.1%、 次いで「
スラリー処理」 が19.1%。 地域別では釧路・根室で 「スラリー処理」 のウェ
イトが高い。 ふん尿の利用方法は 「経営内利用」 が圧倒的に多い。 放牧の実
施は17%にすぎないが、 地域別では根室で高くなっている。 
 
 省力化の先端技術としての 「搾乳ロボット」 の導入を考えている農家は、 
まだ1.2%で網走、 釧路管内に集中している。 
 
 (注) TMR (Total Mixed Ration):粗飼料と濃厚飼料を混合し、 乳牛が要求
 する飼料成分をすべて適正に配合した混合飼料。 時間。 このうち約半分は
 搾乳作業であり、 その省力化は緊急課題である。 

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