◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

前沢牛の里で 「全国肉牛 "牛飼いサミット"」開催

(岩手県 黒澤弥悦)

  岩手県前沢町に、 全国で初めての 「牛の博物館」 が、 4月14日にオープン
したのを記念して、 6月25、 26日の2日間、 同町で  『全国肉牛 "牛飼いサ
ミット"』  が開催された。 
 
  1日目は、 牛の博物館を見学し、 町内の肉牛生産農家を視察した後、 町の
ふれあいセンターで開会式が行われた。 そして、 農林水産省経済局貿易関税
課の永村武美課長が 「今後の肉牛生産と我が国の方向」、 東京大学名誉教授
で牛の博物館名誉館長の正田陽一先生が 「前沢町と牛の博物館」 について基
調講演を行った。 
 
  2日目は、 会場を花巻温泉に移し、 山口大学農学部の小澤忍教授が 「牛肉
品質と飼養管理」、 農林水産省家畜改良センターの菱沼毅所長が 「肉用牛生
産と新技術の方向」 について議論を行うとともに、 東北大学の水間豊名誉教
授をコーディネイターに迎え、 「全国肉牛、 牛飼いの今後の方向性」 と題し
て全国から駆けつけた牛飼い名人7人によるパネルディスカッションが行わ
れた。
 
 サミットには、 北海道から沖縄までの生産者、 畜産関係者、 研究者など約
300名が集い、 今後の肉牛生産のあり方を議論し、 活発な情報交換が行われ
るなど、 大変な盛り上がりを見せた。 秋田県から参加した唯一人の高校生は
、 肉牛生産農家の後継者として、 パネルディスカッションで活発に発言して
いた。 厳しい局面に立たされている我が国の肉牛生産であるが、 若い意欲の
ある後継者が生まれようとしていることを今回のサミットで発見でき、 とて
も頼もしく感じた。 
 

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