◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

生乳生産枠の流動化で体質強化

(愛知県 森下 忠)

  本年度から(社)中央畜産会議が中心となって、全国的な生乳生産枠の流動
化が図られるようになるが、愛知県半田市のみどり牛乳農業共同組合では、以
前から組合員間で枠の譲渡が行われてきた。
 
 みどり牛乳農協では、昭和63年度から、規模縮小又は廃転業する農家の生産
枠をみどり牛乳農協が取りまとめ、規模拡大を希望する農家へ譲渡している。
 
 譲渡価格は、その都度見直されている。平成6年度末には1,905tの生産枠
が17戸に譲渡された。その結果、組合内には日量6t(平成7年4月時点)
を生産する農家も現れている。
 
 このように生乳生産枠の譲渡を行い、枠の流動化を行ってきたことは、やる
気のある農家の意欲向上に非常に役立っている。みどり牛乳牧場の1戸当たり
の平均飼養頭数は77頭と北海道平均の74頭を超えており、他産地に負けな
い経営規模となった。この背景には、やる気のある酪農家を育てる環境がある。

 また、生産枠を地元で維持することで、組合自体の体質強化にも役立ってい
る。
 
 本年度から枠の流動化が全国レベルで行われ、規模拡大に対する補助事業が
組まれ、他地域においても規模拡大を進め易くなると考えられる。生乳生産枠
の流動化で、全国の酪農のますますの発展に期待したい。


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