◎地域便り
この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
ユニークな発想で自然養鶏にチャレンジ
(鳥取県 山崎 和夫)
鳥取県西部の岡山・広島との県境にほど近い深い谷あいの日野町濁谷 (に
ごだに)。 山麓の斜面にはいつくばるように木造の簡易鶏舎7棟が立ち、 約
400羽の地飼いの採卵鶏による自然養鶏が展開されている。
経営主の笹間政典さん (43才)は阪神地区のM電気産業会社から8年前にU
ターンした脱サラ農業者である。 海外青年協力隊員として東南アジアで活躍
した経験の持ち主でもある。
茶色の採卵鶏10羽につき1羽の白色種鶏が放され、 付加価値の高い有精卵
の生産と直販が経営の主体である。
自然養鶏の奥義はエサにあり、 国産のもの、 それも地元のものを優先的に
調達している。 エサの成分の一例を示せば、 学校給食の残飯25%、 トーフか
す20%、 コメの普通ヌカ20%、 酒ヌカ、 くず麦、 くず米など20%、 煮干くず
10%で国産のものが主体である。 輸入ものはわずか5%でごまくず、 パプリ
カ (香辛料)、 ニンニクなどである。
生産された有精卵は1個45〜50円で、 そのほとんどを個人や購入グループ
に直接配達したり、 宅配便を利用して、 有利に販売している。
この地区を担当する日野農業改良普及センターの高見普及主幹は 「笹間さ
んには海外の研修生をしばしば気楽に受入れて貰っており、 ユニークな発想、
積極的な行動力、 柔軟な思考、 旺盛なチャレンジ精神で、 文字どおり山村の
農業振興の中核的な担い手です」 と賛辞を送っている。
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