◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

「東部酪農多頭化推進研究会」 が30周年

(鳥取県 福田 孝彦)

  鳥取県東部の鳥取市を含む1市3郡の酪農家46戸で組織される 「東部酪農
多頭化推進研究会」 は平成7年で30周年を迎えた。 
 
  規模拡大と合わせて経営改善、 飼養管理技術の向上を目的に研修会、 先進
地視察、 経営発表会を重ねてきた研究会は、 会員1戸当たりの経産牛平均飼
養頭数が、 発足当初の3頭から現在では43頭とその名の通り着実に規模拡大
を進めてきた。 
 
  しかし、 オイルショック、 牛肉の輸入自由化等酪農情勢の変化で一時は77
戸を数えた会員数も減少、 さらに会員の高齢化、 後継者不足等の問題を抱え
ている。 このような中、 30周年を契機に会員相互の結束を固め、 厳しい状況
を乗りきって行くため、 記念大会の開催、 記念誌の発刊を2つの柱とする30
周年記念事業が行われた。 
 
  記念大会は、 今年2月16日に鳥取市内のホテルで開催され、 会員の他、 県
、 農業団体、 指導機関の代表者ら200名を超える出席があった。 そして、 こ
の記念大会の模様、 会員・関係者の寄稿文を収めた30周年記念誌 「蹄あと」 
が先頃発刊された。 
 
  記念誌は、 会員だけでなくそれぞれの家族、 牛舎の写真とともに30周年へ
の思いを記した会員寄稿、 「酪農の将来を語る」 と題して、 県畜産課長を交
え、 若手会員、 婦人部員を含めた会員10名によって行われた座談会、 30年に
わたる研究会の活動の歴史が収められている。 
 
  県内では生産者の自主組織がここまで活動を継続している例は珍しく、 こ
の30周年記念事業を契機に東部酪農多頭化推進研究会の更なる発展を祈念し
たい。 
 

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