★調査報告


外食産業における営業給食部門及び
弁当惣菜店の食肉需要の実態
〜 食肉消費構成実態調査より 〜

食肉生産流通部 


 
 この報告は、 畜産振興事業団が財団法人外食産業総合調査研究センターに委託し
た 「平成6年度食肉消費構成実態調査」 を取りまとめたものである。 
  
第1章 調査の概要
 
1 調査の目的

  牛肉の消費構成を見ると家計消費及び加工仕向に比べ、 その他の業務用・外食用
の伸びが大きく、 平成5年度においては家計消費の割合を越えるに至っている。 し
かしながら、 外食産業についてはその業種が多岐に渡るため、 その食肉の消費実態
は必ずしも明らかにされていないのが現状である。 

 そこで、 事業団では、 平成2年度より (財) 外食産業総合調査研究センターに委
託して業種毎に外食産業における食肉の需要状況及び需要特性について調査を実施
している。 
 
  今年度においては、 外食市場における食肉実需者として重要なポジションにある
「営業給食部門と料理品小売業である弁当・惣菜店」 及び 「弁当・惣菜メーカー」 
(下図) について食肉消費の状況と今後の見通しを調査した。 


2 調査の方法

(1) アンケート調査

 全国46都市の飲食店9,700店舗及び弁当・惣菜メーカー300社企業に対してアンケ
  ート調査を実施した。 
 
 調査票の回収率は11.8% (1,180票)、 そのうち有効回答率は11.2%(1,124票)で
  あった。 
 
(2) 調査期間
  
 平成7年1月〜2月の間に実施した。 

第2章 一般飲食店及び弁当・惣菜店の調査結果
1 飲食店の業種、 業態

 回答の得られた飲食店の業種構成は、 日本料理店260店、 一般飲食店202店、 中華
料理・その他の東洋料理店195店、 西洋料理店154店、 酒場・ビヤホール108店、 持
ち帰り弁当・惣菜店115店、 そのほかに割烹・料亭が14店、 仕出料理店が12店であ
った。 
  
 このうち、 業態別にはファーストフードタイプが81店舗 (7.5%)、 ファミリーレ
ストランタイプが305店舗 (28.1%)、 ディナーレストランタイプが202店舗 (18.6
%)、 さらに多角経営タイプが69店舗(6.4%)、 その他が383店舗(35.3%)、不明が
45店舗(4.1%)となっている。 


2 食肉仕入について

(1) 食材率
 
  回答の得られた店舗の食材率 (年間販売額に占める食材仕入額の比率) は、 平均
34.4%であり、 うち食材に占める食肉類の比率は全体平均で28.2%であった。 
 これらのことから年間販売額に占める食肉仕入額の比率は、 全体平均で9.7%を占
めていることがわかる。
 
 食肉を主たる食材とする焼肉店を例に考えてみると、 食材率は38.3%、 うち食材
仕入額に対する食肉の比率は68.6%と高い。 つまり、 1,000円のメニュー考えると
、 食肉の仕入れ価格が20%低下したとしても、 メニューを引き下げる余力は5.2%
しか生まれないので52円しか値下げできず948円までしかメニュー単価を下げるこ
とができない。 
 
  このように、 飲食店の経営において輸入牛肉に代表される食材価格の低下は確か
にプラスではあるが、 直接集客力を高めるようなメニュー単価の引き下げには結び
つかず、 店舗経費の効率化を図って反映させなければならないのが実状である。 


(2) 食肉の仕入状況
 
  食肉の仕入店舗比率 (1年間に食肉を仕入れた店舗の比率) は牛肉が全体平均で
73.3%、 豚肉が83.3%、 鶏肉になると85.3%と、 鶏肉の仕入店舗比率が最も高く、 
業種別には、 牛肉は西洋料理店や割烹・料亭、 酒場・ビヤホールが、 豚肉になると
中華・その他の東洋料理店、 一般飲食店、 酒場・ビヤホール、 持ち帰り弁当店が、 
鶏肉では、 割烹・料亭、 酒場・ビヤホール、 持ち帰り弁当店で仕入店舗比率 が高い。 
 
 年間仕入量では、 牛肉、 豚肉、 鶏肉の合計で2,465.1kgであり、 牛肉の仕入量が
全体の41.8%を占め、 次いで豚肉が32.4%、 鶏肉が25.8%の構成比であり、 国産
及び輸入の比率は、 国産が48.1%、 輸入が43.6%、 不明が8.3%で国産と輸入の差
は僅かなものとなっている。 (表−1)
 
 表-1 業種別にみた食肉類の構成比            (単位:%)
  食肉全体(kg/年) 牛肉 豚肉 鶏肉 国産 輸入 不明
全体 2,465.1 41.8 32.4 25.8 48.1 43.6 8.3
日本料理店 1,445.3 33.4 37.5 29.1 70.7 25.1 4.3
西洋料理店 2,287.2 49.7 27.4 22.9 42.3 53.0 4.7
中華・その他 2,479.7 20.8 54.1 25.1 59.3 31.5 9.2
一般飲食店 962.5 23.8 47.2 29.0 58.7 30.5 10.8
割烹・料亭 699.2 40.8 22.7 36.5 99.4 0.1 0.6
酒場・ビアホール 1,188.4 31.9 19.0 49.1 52.4 36.4 11.2
その他飲食 500.0 26.0 50.0 24.0 100.0 - -
持帰弁当店 2,918.5 17.8 28.8 53.4 36.8 46.5 16.7
その他 6,516.6 33.5 33.5 33.0 13.8 64.7 21.5
 
 牛肉全体 (不明を除く975.4kg/年) の構成比をみると、 全体の50.7%がアメ
リカンビーフ、 27.1%が和牛、 14.7%がオージービーフ、 残りの7.5%が乳おす
となり、 アメリカンビーフが大きな地位を占めている。 (表−2)


表−2 業種別にみた牛肉の構成比(ただし不明分を除く。)(単位:%)
  牛肉全体(kg/年) 和牛 乳おす アメリカン オージー
全体 975.4 27.1 7.5 50.7 14.7
日本料理店 483.7 48.9 15.5 32.1 3.4
西洋料理店 1,135.6 20.8 6.4 50.8 22.0
中華・その他 516.1 22.8 5.1 63.6 8.4
一般飲食店 229.0 31.5 1.1 55.5 11.9
割烹・料亭 285.2 99.8 - 0.2 -
酒場・ビアホール 379.1 26.3 4.0 39.3 30.5
その他飲料 130.0 80.0 20.0 - -
持帰弁当店 521.2 21.9 7.9 36.8 33.4
その他 2,185.8 6.4 2.4 73.3 18.0
 次に豚肉全体の構成比を見ると、 全体の62.3%が国産豚肉、 25.3%が輸入豚肉
となっており、 国産豚肉の比率が高くなっている。 国産豚肉の比率が高い業種と
しては量的には少ないが、 割烹・料亭、 その他飲食店(ドライブイン等)が100%
となっており、 次いで使用量の多いとんかつ店が74.7%、 日本料理店が72.7%、
中華料理・その他の東洋料理店が70%となっている。 輸入豚肉の比率が高い業種
は酒場・ビヤホールが36.2%、 西洋料理店30%、 持ち帰り弁当・仕出し料理店
29.8%となっている。 (表−3)
表−3 業種別にみた1店舗・事務所当たり豚肉仕入量と構成比(単位:kg/年、%)
  回答数 国産豚肉 輸入豚肉 不明 合計
全体 665 498.2(62.3) 202.2
(25.3)
98.9
(12.4)
799.3
(100.0)
日本料理店 123 393.6
(72.7)
114.7
(21.2)
33.1
(6.1)
541.4
(100.0)
(とんかつ店) 22 1,665.1
(74.7)
564.5
(25.3)
-
(-)
2,229.6
(100.0)
西洋料理店 91 399.8
(63.8)
188.3
(30.0)
38.7
(6.2)
626.8
(100.0)
中華料理・その他の東洋料理店 140 939.0
(70.0)
264.0
(19.7)
137.4
(10.3)
1,340.4
(100.0)
一般食堂 120 294.3
(64.8)
95.1
(21.0)
64.6
(14.2)
453.9
(100.0)
割烹・料亭 4 158.5
(100.0)
-
(-)
-
(-)
158.5
(100.0)
酒場・ビアホール 64 105.5
(46.8)
81.6
(36.2)
38.4
(17.0)
225.5
(100.0)
その他飲食店 1 250.0
(100.0)
-
(-)
-
(-)
250.0
(100.0)
持ち帰り弁当・仕出し料理店 87 362.6
(43.2)
250.3
(29.8)
226.7
(27.0)
839.6
(100.0)
その他 13 299.2
(13.7)
1,188.5
(54.5)
692.3
(31.8)
2,180.0
(100.0)
 鶏肉全体の構成比は、 全体の55.3%が国産鶏肉、 36.9%が輸入鶏肉となってい
る。 国産鶏肉比率の高い業種は、 豚肉と同様その他飲食店が100%、 次いで割烹・
料亭が98.7%、 日本料理の順となっている。 輸入鶏肉比率の高い業種はその他の
78.1%、 持ち帰り弁当・仕出し料理店が52.1%、 西洋料理店が40.6%となってい
る。(表−4) 
表−4 業種別にみた1店舗・事務所当たり鶏肉仕入量と構成比(単位:kg/年、%)
  回答数 国産鶏肉 輸入鶏肉 不明 合計
全体 712 352.4
(55.3)
234.7
(36.9)
49.5
(7.8)
636.6
(100.0)
日本料理店 165 320.4
(76.2)
78.1
(18.6)
21.7
(5.2)
420.2
(100.0)
西洋料理店 101 265.3
(50.6)
213.1
(40.6)
46.3
(8.8)
524.7
(100.0)
中華料理・その他の東洋料理店 129 402.3
(64.6)
187.1
(30.0)
33.8
(5.4)
623.2
(100.0)
一般食堂 126 199.8
(71.5)
53.1
(19.0)
26.7
(9.5)
279.6
(100.0)
割烹・料亭 9 252.2
(98.7)
-
(-)
3.3
(1.3)
255.6
(100.0)
酒場・ビアホール 77 414.6
(71.0)
114.4
(19.6)
54.9
(9.4)
583.8
(100.0)
その他飲食店 1 120.0
(100.0)
-
(-)
-
(-)
120.0
(100.0)
持ち帰り弁当・仕出し料理店 94 586.6
(37.7)
811.1
(52.1)
160.0
(10.2)
1,557.7
(100.0)
その他 10 471.8
(21.9)
1,679.0
(78.1)
-
(-)
2,150.8
(100.0)
(3) 最近における仕入動向
 
  調査時点において、 3年前 (平成3年) と比較した仕入動向の回答では、 牛肉は、 
国産牛肉では 「増加した」 が7.3%で、 「減少した」 が10.3%と後者の方が高い結果
を示しており、 輸入牛肉になると 「増加した」 が20.8%と、「減少した」(3.9%)より
16.9ポイント高く、 3年の間に牛肉の仕入量は、 明らかに輸入牛肉を中心に増加し
た店舗が多くみられた。
 
 業種別にみると、 国産牛肉では、 酒場・ビヤホール以外は 「減少した」 との回答
が多く、 輸入牛肉になると、 ほとんどの業種で 「増加した」 と回答しており、 特に、 
仕出し料理店、 持ち帰り弁当・惣菜店、 中華料理・その他の東洋料理店といった業
種で高い比率を示している。 

 国産牛肉と輸入牛肉の相互の関係からは、 国産牛肉の仕入量が増加した店舗だけ
でなく、 国産牛肉の仕入量が変化のなかった店舗や、 減少した店舗でも、 輸入牛肉
は着実に増加したことを示しており、 輸入牛肉は、 牛肉仕入量そのものを底上げし
ただけでなく、 国産牛肉との代替も促進させてきたと思われる。
 
  豚肉も国産豚肉は、 全体的に 「減少した」 傾向が強く、 輸入豚肉になると 「増加
した」 との回答比率が高い結果を示しており、 国産と輸入の相互の関係では、 牛肉
の場合ほど鮮明ではないものの、 国産豚肉の仕入量が増加した店舗だけでなく、 減
少した店舗でも、 輸入豚肉は着実に増加している。

  以上のことから、 飲食店の食肉仕入増減の影響が国産物よりも輸入物に、 より強
く影響している実態を十分に認識する必要がある。 


(4) 仕入部位、 仕入先の動向と特徴
表−5 業種別にみた牛肉の主な仕入部位  (単位:%)
  国産 輸入チルド 輸入冷凍
全体 バラ
(18.8)
サーロイン
(18.1)
バラ
(23.3)
ヒレ
(20.3)
バラ
(23.3)
モモ
(15.2)
日本料理店 サーロイン
(24.7)
ヒレ
(17.5)
ヒレ
(26.6)
バラ
(23.7)
バラ
(21.5)
リブロース
(19.1)
西洋料理店 サーロイン
(32.4)
ヒレ
(31.6)
ヒレ
(37.0)
サーロイン
(18.0)
ヒレ
(20.2)
リブロース・
サーロイン
(18.4)
中華・その他 モモ
(29.2)
バラ
(18.2)
モモ
(30.2)
バラ
(21.4)
モモ
(33.9)
バラ
(28.5)
一般飲食店 バラ
(33.6)
カタロース
(14.9)
バラ
(25.6)
モモ
(16.7)
バラ
(29.4)
サーロイン
(16.1)
割烹・料亭 ヒレ
(36.7)
サーロイン
(31.1)
酒場・ビアホール バラ
(29.5)
モモ
(17.6)
バラ
(40.0)
モモ
(18.7)
バラ
(40.0)
カタロース
(16.6)
その他飲食店 バラ
(50.0)

-

持帰弁当店 バラ
(43.9)
バラ
(58.0)
バラ
(44.3)
モモ
(26.8)
仕出料理店 バラ
(75.0)
モモ
(100.0).
バラ
(26.0)
ヒレ・カタ
(20.0)
その他 バラ
(31.3)
サーロイン
(13.8)
ヒレ
(37.5)
バラ
(21.3)
サーロイン
(45.0)
ランプ
(25.0)
 
  牛肉の主要な仕入部位は、 国産牛肉と輸入チルド牛肉ではバラ、 ロイン、 輸入冷
凍牛肉ではバラとモモで全体の40%を占め、 日本料理店、 西洋料理店、 割烹・料亭
といった業種ではサーロイン、 ヒレが多く、 これ以外ではバラやモモといった低級
部位に仕入部位が特化している。 (表−5) 
  
  豚肉は、 ロース、 バラ、 ヒレといった部位の仕入が多く、 中華料理・その他の東
洋料理店では、 国産では主にモモとバラを、 輸入ではロースあるいはカタロースを
仕入れるといったある程度の棲み分けがみられるが、 その他の業種では、 いずれも
バラないしはロースを国産、 輸入ともに仕入れている。 (表−6)
表−6 業種別にみた豚肉の主な仕入部位(単位:%)
  国産豚肉 輸入チルド 輸入冷凍
全体 ロース
(29.7)
バラ
(25.5)
ロース
(30.8)
バラ
(22.9
ヒレ
(26.7)
ロース
(21.7)
日本料理店 ロース
(39.1)
バラ
(25.3)
ロース
(33.7)
バラ
(32.1)
ヒレ
(52.9)
西洋料理店 ロース
(56.3)
ヒレ
(15.2)
ロース
(45.0)
ヒレ
(25.8)
ヒレ
(46.3)
ロース
(32.8)
中華・その他 モモ
(32.9)
バラ
(27.7)
ロース
(24.6)
カタロース
(23.0)
カタロース
(38.5)
ロース
(19.4)
一般飲食店 ロース
(29.3)
バラ
(26.0)
ロース
(39.6)
バラ
(21.1)
ロース
(30.9)
ヒレ
(13.1)
割烹・料亭 ロース
(45.0)
バラ
(36.7)

酒場・ビアホール バラ
(45.7)
ロース
(22.0)
バラ
(62.1)
バラ
(51.3)
その他飲食店 ロース
(66.7)

持帰弁当店 ロース
(28.5)
カタロース
(24.8)
カタロース
(32.6)
ロース
(22.6)
カタロース
(24.9)
ヒレ
(19.4)
仕出料理店 カタロース
(31.4)
バラ
(21.4)
カタ
(80.0)
カタロース
(32.5)
ヒレ
(30.0)
その他 ロース
(44.4)
バラ
(22.8)
ヒレ
(57.5)
カタ
(26.7)
ヒレ
(23.3)
3 今後の意向に見る特徴

  食肉類の仕入は、 各店舗の売上げの伸びと同時に、 食肉を使用したメニューの品
揃えに大きく規定される。 
 
  初めにメニューからみると、 充実意向としては牛肉メニューが最も強く32. 4%、 
次いで鶏肉メニューが24.9%、 豚肉メニューが19.9%となっており、 今後は牛肉メ
ニューでは期待できるが、 豚肉メニューではあまり期待できない状況となっている。
  (表−7) 
表ー7 業種別にみた食肉メニューを増やす意向  (単位:%)
  牛肉を増やす意向 豚肉メニューを増やす意向 鶏肉メニューを増やす意向
全体 32.4 19.9 24.9
日本料理店 30.3 15.0 22.3
西洋料理店 40.9 18.1 24.7
中華・その他 28.3 20.0 22.1
一般飲食店 25.7 19.8 20.3
割烹・料亭 28.5 7.1 21.4
酒場・ビアホール 38.0 24.1 26.9
その他飲食店 - 25.0 25.0
持帰弁当店 38.2 30.4 44.3
仕出料理 33.3 8.3 -
その他 41.6 16.6 25.0
 次に、 今後2〜3年後、 食肉仕入量の増減の意向をみると、 牛肉の仕入が増加す
るとの見方が相対的に高い結果を示している。 
割烹・料亭、 持ち帰り弁当店については、 牛肉よりは鶏肉の仕入が増加するとの意
向が強く、 メニュー拡充の意向と比較すると、 仕入量に関する意向の方が高い比率
を示していることから、 今後の仕入量はメニューの幅が広がることによるだけでな
く、 既存のメニューの枠内でも牛肉メニューを中心に、 提供食数が増加するとの見
通しがあることが読みとれる。  (表−8) 
表ー8 業種別にみた食肉仕入量を増やす意向
  牛肉の仕入量を増やす意向 豚肉仕入量を増やす意向 鶏肉仕入量を増やす意向
全体 44.9 32.9 36.8
日本料理店 43.4 26.6 30.8
西洋料理店 57.1 27.9 33.8
中華・その他 37.9 34.9 35.9
一般飲食店 37.6 36.7 33.2
割烹・料亭 28.5 7.1 54.6
酒場・ビアホール 51.0 40.7 41.6
その他飲食店 - - -
持帰弁当店 51.3 40.0 59.1
仕出料理店 50.0 33.3 33.3
その他 58.4 33.3 41.6



第3章 弁当・惣菜メーカーの調査結果

1 事業所の概要

 回答の得られた弁当・惣菜メーカー39社を経営組織別に見ると、 株式会社組織
が28(71.8%)、 有限会社が6(15.4%)、 個人経営2(5.1%)、 協同組合が1、そ
の他が2であった。 
 
  表−9は1事業所当たりの納入先店舗数を示したものだが、 全体平均で110.6
店舗に納入が行われており、 このうち、 コンビニエンスストアが56.9店舗と最も
多く、 次いで直営小売店を含むその他が24.7店舗、 スーパーが20.1店舗となって
いる。 従業員規模別に見ると、 コンビニエンスストアへの納入数は、 規模が小さ
い事業所では少なく、 大きくなるに従って多くなり、 100人以上の規模では135.0
店舗に納入しており、 スーパーや直営部門への納入は20〜50人未満といった中規
模の事業所で納入している件数が多い実態となっている。
 
 コンビニエンスストアに多く納入している事業所では、 朝・昼・夜の3回の食
事時間に対応した製造・納入体制をとっていることが多い。 



表ー9 従業員規模別にみた弁当・総菜類の納入先別店舗数
  調査先事業所 コンビニエンスストア スーパー デパート その他
全体 39 56.9 20.1 8.9 24.7 110.6
20人未満 12 0.5 2.0 0.2 4.7 7.3
20〜50人未満 7 12.9 44.1 2.9 49.7 109.2
20〜100人以上 7 62.5 9.3 2.8 27.5 102.0
100人以上 11 135.0 18.1 23.9 16.4 193.4
2 食肉仕入の概要

(1) 食肉仕入の状況
  弁当・惣菜メーカーの食材率は、 全体平均では49.3%であり、 飲食店と比較し
て10ポイント程度高い比率となっている。 
  
  また、 製造している弁当・惣菜類と食肉を使用した弁当・惣菜類の品揃え状況
を整理すると、 1事業所当たりの弁当メニューの数は63. 1種類で、 このうちの
40%が食肉を使用した弁当メニュー、 惣菜類では133.1のメニューのうちの26.5
%が食肉を使用したものになっていた。 (表−10) 
表−10 従業員規模別にみた弁当・惣菜類の品揃え数(単位:種類、(%))
  弁当メニュー数 惣菜メニュー数
    うち食肉   うち食肉
全体 63.1 25.2(39.9) 133.1 35.3(26.5)
20人未満 22.0 12.8(58.1) 41.7 10.6(25.4)
20〜50人未満 25.0 11.0(44.0) 104.7 22.2(21.2)
50〜100人未満 42.5 13.0(30.6) 132.7 30.5(22.9)
100人以上 108.6 42.6(39.2) 234.8 70.5(30.0)
 
  食肉の種類別の仕入の有無としては、 69.2%のメーカーが牛肉を、 76.9%が豚
肉を、 82.1%が鶏肉を仕入れており、 鶏肉の仕入が最も多く、 一般飲食店とは全
く逆の傾向が見られる。 
 
  弁当・総菜類のメニュー単価は500〜600円程度であり、 その内の食材率が50%
弱であることを考えると、 食材費はわずか250〜300円であり、 仕入単価の高い食
材は使いにくくこの順番になったものと考えられる。 


(2) 部位別にみた仕入の特徴
 
 仕入部位は、 牛、 豚ともにバラやモモを主体に仕入れており、 国産と輸入チル
ドあるいは冷凍との間で部位による使い分けが行われている傾向はみられない。
(表−11) 


表-11 牛肉・豚肉の主要仕入部位              (単位:%)
 

国 産

輸 入

冷 蔵

冷 凍

牛肉

豚肉
バラ  挽き肉  モモ
(38.9) (23.3) (10.0)

バラ  モモ   カタロース
(26.7) (19.2) (11.2)
挽肉   モモ  ヒレ
(33.1) (21.3) (16.9) 

ロース  モモ  カタロース
(39.0) (19.7) (12.2)
バラ   モモ・カタロース
(41.9)  (13.9)

バラ   カタロース ロース
(40.0) (19.3)   (13.6)


3 今後の意向に見る特徴

  メニューの充実意向をみると、 今後、 牛肉メニューが59.0%、 次いで鶏肉メニ
ューが58.9%と、 この2つが中心に充実されることが予想され、 仕入量の見通し
でもほぼ同様の傾向がみられる。 

 また、 仕入量の意向をメニューの拡充の意向と比較すると、 飲食店の場合と同
様に相対的に仕入量に関する意向の方が高い比率を示していることから、 今後の
仕入量は、 メニューの幅が広がることによるだけでなく、 既存のメニューの枠内
でも牛肉、 鶏肉メニューを中心に、 提供食数が増加するとの見通しがあることが
読みとれる。 (表−12) 
 
 食材率の比較的高い弁当・惣菜メーカーでは、 一般飲食店以上に牛、 豚ともに
低価格の輸入物が仕入の主体となる可能性が高いと予想される。  

表-12 今後の意向と見通し  (単位:回答数)
  メニュー拡充の意向 仕入量が増える見通し
牛肉 59.0 69.2
豚肉 41.0 43.6
鶏肉 58.9 61.5
 

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