◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

新規就農者を育てるフォーラム in イーハトーブ

(岩手県 米谷 仁)

 


  農業、 畜産を目指す意欲ある担い手たちにどう応えていき、 支援体制をどう
構築していくかをテーマに中央畜産会主催 「新規就農者を育てるフォーラムin
 イーハトーブ」 が、 昨年12月14日に盛岡市で東北、 北海道の行政機関、 関係
団体、 農業教育機関及び学生等約120名が参加して開催された。 
 
 フォーラムでは、 日本大学農獣医学部長野實教授による基調講演、 新規就農
対策に関する事例発表、 意見交換が行われた。 長野教授は、 「イーハトーブの
若き畜産人にエールを送る」 と題して、 「夢よりも希望を」、 「明るい希望は必
ず実現する」、 「畜産はロマンであり、 挑戦と忍耐である」 と、 新規就農者を激
励した。 
 
 新規就農対策に関する事例発表では、 農業教育機関、 学生、 生産者9人がコ
メンテーターとして、 農業教育の立場から見た担い手育成、 新規就農者の受け
入れ体制、 就農希望者からの意見などについて提言した。 「どんなに忙しくて
も充実感がある」、 「収入等で語れない素晴らしさがある」 といった意見が出た
反面、 「新規就農の場合、 資金制度における保証人の確保や生乳生産枠の確保
が難しい」、 「総合的な支援体制が不十分である」 など、 実際に就農した場合の
問題点も数多く指摘された。 また、 農業教育の現場からは、 農家の子弟を対象
とした農業教育から幅広い就農者を対象とした農業教育が必要であるとともに
、 農家自身にも農業教育に参加してもらう制度を取り入れるべきだという提言
もあった。 
 
 この他、 会場の参加者からは 「生きがいだけではなく、 ビジネスとして考え
ることも必要である」、 「担い手確保のためにも農業のイメージアップが大切」、 
「マスコミが農業の厳しさばかりを強調しているのではないか」、 「新規就農者
のためのリース農場等の新たな制度が必要である」 など、 農業振興に前向きな
数多くの意見が出された。 

 次代の農業、 畜産の担い手に対する支援体制構築の一助となったと強く感じ
させるフォーラムであった。 

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