◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

地域に根づいた市場直営の精肉店舗

(群馬県 嶋田重一)

 


  昨年の本誌5月号で、 群馬県玉村町の株式会社群馬県食肉卸売市場が直営の
精肉店を開店したことを紹介したが、 正直言ってその時は、 順調に運営できる
かどうか、 とても不安であった。 しかし、 昨年4月19日の開店後、 約8カ月経
過した現在、 その不安は一掃され、 予想を上回る販売実績を示すに至っている。 
 
 地域への宣伝を通じ、 地元の消費者から、 直営店の肉は柔らかくて旨いとい
った評判が広がり、 お中元・お歳暮時期には、 地域の会社から大口注文もあっ
た。 
 
 店舗の規模は、 売り場面積65u、 カットスライス場20u、 資材庫等30uであ
り、 男子2名、 女子1名の計3名で業務を行っている。 
 
  「企業は、 地元住民と共にあり、 利益を地元に還元しなければならない」 と
いった考え方が強まっている現在、 市場直営精肉店では、 地元の消費者に対し
食肉市場として 「何をいかに還元するか」 ということに重点を置き、 これから
もより良い商品を安く販売したいと考えている。 地域消費者の喜びが食肉市場
の喜びでもあり、 使命でもある。 壌菌処理) を実施している。
@ 悪臭の軽減 A堆肥化の促進についてはおおむね達成されたが、 現在、 処理
段階で生産される液肥の有効活用を模索している。 
 
 今年度は、 本格的に家畜ふん尿有効利用調査試験に取り組み、 上川支庁、 道
立上川農試、 士別地区農業改良普及センター、 士別市、 JA士別市、 JA多寄
の7団体からなる調査チームを編成した。 チームでは、 夏ダイコンが作付けさ
れた民間ほ場に、 28の試験区を設け、 液肥の散布試験を実施、 過日、 普及セン
ターが中心となり生育、 収量調査を行った。 
 
 今後、 土壌の化学性・物理性調査、 液肥・堆肥の成分分析、 有毒性物質の有
無、 土壌生物性 (微生物) 調査等をチーム内で分担して行い、 年度末までに報
告書をまとめることにしている。 しようとする取り組みが広がりを見せている。 

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