この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
畜産経営は、 生き物を相手にすることから、 家畜に主体を置いた飼養管理体 制を採っており、 昨今の労働時間の短縮、 週休2日制の普及等社会情勢の変化 に対応出来ていない。 このことは後継者不足等の一因となっている。 そこで愛媛県畜産試験場では、 現在の社会情勢に対応して家族揃っての休日 がとれゆとりある生活が可能となるよう、 養豚経営において、 分娩、 交配のコ ントロールをはじめ、 飼料給餌の自動化等畜舎施設の改善等の検討を行った。 まず、 週2回の分娩日を平日昼間に設定し、 妊娠111日以降の繁殖豚45頭に ついて分娩設定日前日の午前11時に、 ブロスタグランジンF2αアナログ (PG) を0. 055rを会陰粘膜に、 また、 同時に安息香酸エストラジオール1ミリリッ トルを耳根部筋肉内に注射した。 その22時間後にオキシトシン30国際単位を耳 根部に注射したところ、 分娩設定日の午後5時までに34頭 (75.6%) が分娩し 高い効果が得られ、 特に、 処理が分娩予定に近いほど反応は良好であった。 分娩後の平日発情誘起については、 離乳日を金曜日に定め、 離乳当日PMSG 1000国際単位、 HCG500国際単位を注射したところ、 7日以内に発情再起したの が、 19頭中15頭で良好であった。 平日昼間分娩、 平日発情誘起については、 農 家にとり入れられやすく、 これらの技術は各方面より問い合わせがあり、 普及 が期待されている。 また、 自動給餌をつけた高床式の作業効率については非自動給餌の平床式に 比べ7分の1の労働時間であった。 高床式飼養管理技術については、 すでに県 の事業として県下の養豚家が省力、 衛生面を考慮して広範囲にとり入れ、 子豚 の育成率が上昇している。