◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

綿羊の床屋さん

(北海道 川田 武)

  北海道比布 ぴっぷ 町立中央小学校 (高橋昌二校長、 児童数256人) では、 
生活科 「綿羊の生産国と毛の利用」 の授業で、 同町の星野教育長自らが特製
鋏で綿羊の毛刈を披露した。 生活科は、 小学校低学年を対象に、 理科と社会
を併せたような教科である。 
 
 教材となる綿羊は、 昭和30年代までは飼養農家が多く、 身近にいたものの
、 最近ではほとんど見かけなくなった。 昨年まで同校で飼養していた2頭の
綿羊も鳴声が近所迷惑となるため、 近隣の小動物園に譲渡してしまった。
 
 このため、 同校では羊毛が衣服などの素材に用いられることを学ぶため、 
近隣の施設から綿羊を借りることにした。 星野教育長は、 以前農協で綿羊の
毛刈り指導をしていたこともあり、 20年ぶりに 「綿羊の床屋さん」 の役をか
って出たもの。 
 
 作業衣を着た教育長は生徒を前に、 毛刈り時の綿羊の保定方法やエサを食
べさせないで事故を防ぐ理由などを説明した後、 特製の長さ40cm位の鋏で、 
器用に全身の毛刈りを行い、 約30分で終えた。 
 
 各生徒は綿羊の独特な臭気のあるフワンフワンとした毛に触れながら、 こ
の毛が靴下や手袋、 セーターになるとの説明を興味深く聞いていた。 
    

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