◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

河川敷の育成牧場の草地改良

(群馬県 金子 信夫)

  群馬県館林市の乳牛育成牧場 (市町村等が構成する協議会営) は渡良瀬川
右岸の河川敷内に、 昭和40〜41年に14. 6haが草地造成され、 毎年40頭程度
の後継牛の育成が行われている。 標高は約20m、 最高気温33. 7℃、 最低気温
−4. 6℃、 平均14. 9℃、 年間降水量1, 688mmと、 気温や降水量にめぐまれ
た育成の適地である。 
 
  牧場開設当初は、 イタリアンライグラスを中心とした草地であったが、 近
年では、 ギシギシ、 カキネガラシ、 ハリビエ等の雑草混入で牧草の生産量が
低下し、 特に夏の増体に影響していることが調査によって明らかにされた。 
そこで、 館林市、 利用組合、 関係機関で雑草防除、 導入草種、 造成法、 利用
法についての検討を重ね、 平成5年10月から草地の改善に取り組んだ。 その
結果、 夏の高温に強いリードキャナリーグラスと春先及び秋以降に発育のよ
いイタリアンライグラスの2種類で対応することにした。 

 現在はリードキャナリーグラスが2牧区、 イタリアンライグラスが1牧区
の草地組み合わせが基本的な形となっており、 組合員も草種選定が重要であ
ることを認識している。 
 
  平成7年4月4日に今年の放牧を開始したが、 5年10月に更新したリード
キャナリーグラスの草地は雑草混入もなく、 草の生育も良好であった。 しか
し、 1牧区4haの牧草地は広すぎて草の利用率は低下し、 今後は利用率向上
のための適正牧区の検討が必要になってきている。 利用組合では8年以降は
牧区の大きさ、 給水施設、 日除け施設、 放牧期間延長を検討する見込みであ
り、 平担地における集約的で、 より効率的なスーパー放牧への足がかりとな
ると思われる。
 
 
    

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