◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

半田酪農青年部が地元消費者に牛肉直売

(愛知県 森下 忠)

  愛知県半田市は、 全国的にも有数の酪農地帯であり、 乳肉複合経営の盛ん
な地域である。 半田市で生産された肉牛の多くは、 みどり牛乳農業協同組合
を通じて大阪南港市場に出荷され、 主に阪神地域で消費されている。 そのた
め、 地元の消費者の口に入る機会は少ない。 
 
  そこで、 半田市の若い酪農家8名 (24〜35歳)は、 「半田酪農青年部」を組
織し、 昨年末より生産物の直売を始めた。 その目的は、 地元の生産物を地元
の消費者に届け、 農業への理解を求め、 地域と結びついた経営を行うことと、
生産者の直売により、 生産物に対する消費者の正しい理解を深めることにあ
る。 特に飼養頭数の増加にともない、 環境問題がクローズアップされる中、 
地元の人々の酪農への理解は不可欠である。 
 
  取扱いは目玉である交雑種牛の精肉が中心で、 その他にハンバーグ、 アイ
スクリームも時期に応じて行っている。 青年部では、 精肉の処理・販売許可
を持っていないため、 地元の精肉店とタイアップし、 青年部が個別に取った
注文を精肉店につないでいる。 昨年末から始まったこの方法により、 2か月
に1度1頭の割合で販売が続いている。 

 今年中には、 地方振興事業による移動販売車の導入も予定している。 また、 
将来的には固定店舗による販売も考えており、 地域の消費者と結びついた経
営を行いたいという若い酪農家の夢は膨らんでいる。 
  
 
    

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