◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

地域のET普及定着化のためのマニュアルを作成

(島根県 横田 司)

  島根県松江家畜保健衛生所と管内市町村で構成する出雲東部家畜保健衛生
協議会は、 農家が牛の受精卵移植 (ET) に取り組むときに必要な事務手続
きや、 県内の牛群の能力向上、 斉一化を進めるために実施されているET事
業の流れを紹介したマニュアル 「受精卵移植事務必携〜良い卵、 ふやしてそ
だてて、 良い牛に!」 を平成7年2月に作成した。 
 
 この冊子は、 JAや行政関係者の指導の手引書としてだけでなくETにつ
いて農家を含め、 多くの人々に幅広く理解してもらう目的で作成されたもの。 
採卵、 移植から子牛の登記まで、 煩雑で分かりにくいとされるET事業の流
れを写真や図を使い、 具体的に理解できるよう工夫され、 事務の段階ごとに
必要書類や注意事項を記載するなど実用的に説明されている。 また、 ETの
技術概要や申請書類の様式も添付してあり、 とても使いやすくなっている。 

 冊子は100部作成され、 県内の関係機関に配布された。 県内では、 地域一体
となってETを利用し、 地域の宝であるET産子本来の優秀な能力を最大限
に発揮させ、 地域の肉用牛や酪農経営の発展につなげていきたいと、 ETに
かける期待が大きくなっている。 

 作成スタッフは、 「ET関係者、 特に市町村のET協議会担当者、 ET授精
師には、 この冊子を常に携行していただき、 農家の皆さんが気軽にETに取
り組んでもらえるような体制ができれば」 と期待を寄せている。 
  
    

元のページに戻る