◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

増加する新規就農者の半数はUターン組

(鹿児島県 新坂 伸一)

  鹿児島県における新規就農者は、 平成2年度を境にUターン者を中心に増
加傾向にあり、 平成6年度の35歳以下の新規就農者は、 148人と平成に入っ
てから最高となった。 これは、 農業に対する価値観の見直しや、 景気動向な
ど社会・経済的な背景によるものと推測される。 
 
  6年度の内訳をみると、 Uターン者が73名、 新規学卒者が39名、 農業大学
校などの研修施設修了者が24名、 新規参入者 (農家出身以外の就農者) が10
名となっており、 Uターン組が半数を占めている。 また、 就農時の経営作目
別では、 肉用牛や施設野菜、 花きなど施設利用型作目への従事が増加してお
り、 畜産関係では33名が就農している。
 
 県では、 平成2年度に 「県農業後継者育成基金協会」 を設立し、 営農・生
活資金や農業青年の海外研修に対する助成、 市町村における新規就農者の受
入体制の整備を支援するなど、 農業後継者の育成・確保に努めている。 さら
に今年度から、 県内外からの就農相談に専門的に応じる 「就農アドバイザー」 
を設置し、 従来から農業改良普及センター等に設置している 「新規就農相談
所」 との連携を強化することとしている。 

 今後とも、 農業・農村のイメージアップを図りながら、 創意と意欲に満ち
た農業後継者の確保に努め、 農業改良普及センター等の指導のもと、 彼らが
地域の中核的担い手として育つことが望まれる。 
鹿児島県における新規就農者の推移(35歳以下)
年度/就農形態 合計 中学校 高校 研修施設 Uターン その他
3 118 0 23 23 65 7
4 133 7 25 18 75 8
5 127 8 24 18 64 13
6 148 6 25 24 73 20
6年度の構成比(%) (100) (4.0) (16.9) (16.2) (49.3) (13.5)
畜産への就農状況
年度/畜産 肉用牛 酪農 養豚 ブロイラー 採卵鶏 合計
繁殖 肥育
5 14 10 5 5 1 0 35
構成比 40.0 28.6 14.3 14.3 2.9 - 100
6 9 5 4 9 5 1 33
構成比 27.3 15.2 12.1 27.3 15.2 3.0 100

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