国内の主要畜産物の短期需給動向を毎月トレースします。 ・原データは、 巻末の参考資料を御参照願います。 ・( ) 内数値は、 対前年増減率です。 ・季節調整は、 米国商務省のセンサス局法 (X−11) によっています。 ・牛肉及び豚肉の数量は、部分肉ベースです。 乳業部、食肉生産流通部、企画情報部
〔 牛 肉 〕
5月の生産量 めす和牛は引き続き増加 5月の生産量は、 3万2千703トン (1.6%) と前年同月とわずかに上回った (図1)。 内訳をみると、 めす和牛は6千191トン (6.8%) と前年同月をかなり 上回り、 去勢和牛は6千914トン (0.7%) と前年同月をわずかに上回った。 一 方、 乳用肥育おす牛は1万561トン (2.6%) と前年同月をやや上回り、 乳用め す牛は8千350トン (▲1.9%) と前年同月をわずかに下回った。 5月の輸入量 好調な米国産チルド 5月の輸入量は、 6万14トン (5.9%) と前年同月をかなり上回った (図2)。 内訳をみると、 生鮮・冷蔵品が3万381トン (8.7%)と前年同月をかなり上回 り、 冷凍品も2万9千434トン (3.0%)と前年同月をやや上回った。 また、 国 別では米国産が2万7千766トン (13.4%) と前年同月に比べてかなり大きく 伸びたのに対し、 豪州産は2万8千580トン (▲0.8%) とわずかに減少した。 生鮮・冷蔵品の伸びが大きいのは、 米国産が1万784トン (57.4%) と前年同 月を大幅に上回っているためで、 豪州産は1万8千693トン (▲8.3%)とかな り下回った。 冷凍品については、 豪州産が9千819トン (16.9%) と前年同月 を大幅に上回ったものの、 米国産が1万6千982トン (▲3.7%)とやや下回っ た。 5月の推定出回り量 輸入品シェアは61% 5月の推定出回り量は、 8万6千33トン (13.4%)と前年同月をかなり上回 った(図3)。 これは、 輸入品の推定出回り量が5万2千398トン(16.3%)と前 年同月を大幅に上回ったことによる。 国産品は、 3万3千635トン(9.2%)で あった。 5月の推定期末在庫量 輸入品在庫は前年比減、 前月比増 5月の推定期末在庫量は、 8万9千963トン (▲8.1%) と前年同月をかなり 下回った (図4)。 これは、 輸入品の出回り量が大幅に増えたことにより、 輸 入品在庫が7万8千498トン (▲8.8%) と前年水準をかなり下回ったためであ る。 国産品在庫は、 1万1千465トン (▲2.4%) であった。 先月との比較では 、 輸入品在庫はかなり増加し、 国産品在庫はかなり減少した。 5月の卸売価格 去勢和牛A4、 前年をかなり下回る 5月の省令価格 (東京市場) は、 908円/kg(▲4.4%) と前年同月をやや下 回った (図 5、6)。 5月の卸売価格 (東京市場) を品種別にみると、 去勢 和牛のA5は2,476円/kg (▲2.1%)、 A4は1,754円/kg (▲5.2%)と前年 同月をやや又はかなり下回ったが、 A3、 A2は前年同月に比べわずかな下げ にとどまった。 めす和牛も同様の傾向であった。 乳用肥育去勢牛のB3は822 円/kg(▲3.5%)、 B2は547円/kg (▲17.0%) と前年同月をやや又は大幅 に下回った。 特に、 乳用肥育去勢牛のB2の下落率が大きいのは、 輸入品の出 回り量が大幅に増加しているためと考えられる。 5月の輸入牛肉仲間相場 冷凍チャックリブは上昇 5月の豪州産牛肉の仲間相場は、 冷蔵品、 冷凍品とも前年同月を20%前後下 回った。 北米産牛肉は、 冷凍品の 「チャックリブ」 が焼き肉需要を反映して912 円/kg (22.7%) と前年同月を大幅に上回ったが、 冷蔵品を含めたその他の品 目は、 ほとんどが前年同月をかなりまたは大幅に下回った。
〔 肉 用 子 牛 〕
黒毛和種の取引価格 前年をかなり上回る
5月の黒毛和種の取引頭数は、 3万9千503頭 (▲2.5%) と前年同月をわず かに下回った(図7)。 取引価格は、 めすが29万1千円 (15.0%)、 おすが37万 円(10.4%)と前年同月を大幅に又はかなり上回り、 おす・めす平均も33万5千 円(11.7%)とかなり上回った。 先月に比べると、 めすが4千円高く、 おすが3 千円安く、 おす・めす平均で1千円高かった。
乳用種子牛の取引価格 前年をかなり下回る
5月の乳用種子牛(ホルスタイン種)の取引価格は、めすが5万4千円で前年 と同水準、おすが6万2千円(▲15.1%)で前年同月を大幅に下回り、おす・ めす平均が6万円(▲10.4%)とかなり下回った(図8)。 5月の乳用種ヌレ子の取引価格は、6万1千円(22.0%)と前年同月を大幅 に上回った。
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−生乳の計画生産と乳廃牛の枝肉卸売価格の関係−
平成5年の冷夏の影響により、 5年度の生乳の計画生産数量は前年度を下回 って実施された。 その結果、 搾乳牛の淘汰が進み、 5年度の乳用めす牛のと畜 頭数は、 前年比100. 5%と前年度を上回った。 ところが、 6年の夏は一転して 猛暑となり、 生乳の不足から、 6年度の計画生産数量は当初の97.1%から98.1 %に上方修正された。 この猛暑の影響は、 搾乳牛の種付けの遅れ等による1頭 当たりの乳量の減少と生産回復のための搾乳牛更新の延期等に現れており、 6 年度の乳用めす牛のと畜頭数は、 前年比98. 9%と前年度を下回った。 このよう な状況は7年度も続いており、 5月までの乳用めす牛のと畜頭数は前年比92.9 %とかなり下回っている。 このようなと畜頭数の減少は、 乳廃牛の枝肉卸売価格にも影響を及ぼしてお り、 東京市場の乳用めす牛の 「C1」 の価格は、 6年の夏から前年比120%を 超える上昇を続け、 7年度に入ってからも引き続き上昇している。
〔 豚 肉 〕
5月の生産量 前年同月をやや下回る 5月の国内生産は、 母豚の飼養頭数減少 (7年2月1日現在▲3.9%) の影 響から、 と畜頭数が143万9千113頭(▲3.7%)、 生産量が7万6千325トン(▲ 2.9%) と前年同月を下回った (図1、2)。 6月のと畜頭数 (速報値) は、 139万8千頭と前年同月をかなり下回ってい る(▲7. 8%)。 農林水産省畜産局では7月については、 141万2千頭と前年同 月をわずかに上回るものと見込んでいるが (1.0%)、 昨年7月のと畜頭数は前 年を9.1%も下回っているため、 生産は引き続き低い水準に留まると見られる。
5月の輸入量 冷蔵品、 冷凍品とも大幅に上回る
5月の輸入量は、 5万1千336トンと前年同月を大幅に上回った(26.6%、 図 3)。 冷蔵品は国内生産量の減少等を背景に昨年8月以降10カ月連続して2桁 の伸びを示しており (41.4%)、 3月以降毎月1万4千トン台で推移している。 その中でもアメリカからの輸入の伸びが引き続き顕著 (70.5%)で、 冷蔵品輸入 全体に占めるシェアは6年度平均の38.0%から44.1%にまで増えている(図4)。 冷凍品は、 特に台湾からの輸入の伸びが顕著 (24.3%) で、 合計で3万7千 266トンと前年同月を大幅に上回った(21.8%)。 加工品等を含むセーフガード対象品目の5月の輸入量は5万1千482トンで、 年度累計は10万340トンとなった。 5月の推定出回り量 前年同月をかなり上回る
5月の推定出回り量は、 国産品はわずかに、 また、 輸入品も大幅に前年同月 を上回ったため、 合計では11万9千997トンとかなり上回った(9.6%、 図5)。 5月の推定期末在庫量は、 輸入品が前年同月をやや上回ったものの、 国産品 が大幅に下回ったため、 合計では9万8千329トンと前年同月をわずかに下回 った (▲0.6%)。 4月の家計消費量 13カ月ぶりにプラスに転じる 4月の家計消費量 (全国1人当たり) は397gと6年2月以来13カ月ぶりにプ ラスに転じた (図6、 4.4%)。 事業団の小売動向調査 (量販店のPOS情報)でも 、 3月以降、 豚肉の購買数量は、 前年同月を上回って推移しており、 5月につ いても前年同月をやや上回っている(4.9%)。 4月の豚肉の加工品仕向量は、 引き続きわずかながら前年同月を上回ってい る(2.2%)。 食肉加工品生産量はロースハム等が順調に伸びているものの、 全 体ではほぼ前年同月並みであった(0.8%)。 5月の国産枝肉価格 前年同月をかなり上回る 5月の卸売価格 (東京市場・省令) は、 冷蔵品輸入量が大きく増えたものの 国内生産量が減少したことなどから、 463円と前年同月をかなり上回った(6.9 %、図7)。 6月の卸売価格も、 生産量が前年同月をやや下回ったことなどから、 550円 (速報値) と前年同月をかなり上回った (10.2%)。 7月の卸売価格 (東京・大阪市場) について畜産局では、 肉豚出荷頭数が、 前年同月をわずかに上回ると見込まれるものの、 季節的な需給動向等からみて 、 6月並みの水準で推移するものと見込んでいる (6月30日公表)。 5月の輸入豚肉仲間相場 低下傾向が続く 5月の輸入豚肉の仲間相場は、 冷凍品の一部を除く全品目が前年同月を下回 った (図8)。 その中でも、 米国産冷蔵品ロース、 ヒレは、 供給量の急増を反 映して、 値下がり傾向が続いている。
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輸入急増で、 値下がりが続く米国産冷蔵品 毎月、 記録的な伸びを示している米国からの冷蔵品輸入であるが、 その内訳 はロース、 ヒレのいわゆる高級部位に集中している。 このため、 これら品目の 仲間相場は、 前年同月を下回って推移しており、 特にヒレの値下がりが顕著で ある (▲19.5%)。
5月の生産量 前年同月をやや上回る
5月の生産量は、 10万9千336トンと、 前年同月をやや上回った (4.0%、 図 1)。 最近の生産量の動向をみると、 5年10月から6年12月までは前年を下回っ て推移してきたが、 7年1月からは、 3月にわずかに前年を下回ったものの、概 ね前年を上回って推移している。 この原因は、 1羽当たりの出荷重量が年々増 加の傾向にある中で、 6年の1羽当たり出荷重量の減少や、 出荷率の減少があっ たことによるものと見られる。 今後の生産動向は、 4月以降のえ付け羽数が前年を下回って推移していること から、 6月以降の生産量は前年を下回るものと見込まれる。
5月のひなえ付け羽数 前年同月並み (▲0.7%) となる
今後の生産指標となる5月のブロイラー用ひなえ付け羽数は、 5千457万羽と 前年同月並みとなった (▲0.7%、 図2)。 農林水産省統計情報部によると、 6 月、 7月、 8月のブロイラー用ひな出荷羽数は、 それぞれ前年の同月と比べて 98%、 100%、 97%と見込まれている。 最近のえ付け羽数の動向を前年比でみると、 鶏肉価格の低迷から、 需要見合 いの生産体制が整い、 平成5年9月以降、 え付け羽数は前年を大きく下回って 推移してきたが、 昨年末頃から対前年減少率が小さくなってきている。 我が国の生産量の約半分を占める主要三県 (岩手、 宮崎、 鹿児島) の5月の ひなえ付け羽数は、 岩手が817万羽、 宮崎が958万羽、 鹿児島が1千31万羽とい ずれも前年同月を上回った (それぞれ、 3.6%、 3.6%、 6.0%)。
5月の輸入量 前年同月を大幅に上回る 5月の輸入量は、 円高を背景に、 5月の連休等の需要を見込んだ輸入から、 4万9千95トンと前年同月を大幅に上回った (52.1%、 図3)。 輸入相手国別にみると、 主要4ヵ国の中国、 タイ、 米国、 ブラジルの中で、 中国とブラジルが大幅に前年を上回った(それぞれ、 168.5%、 ▲5.8%、 5.8 %、 104.0%)。 特に中国は鶏肉の生産規模の拡大及び輸出の環境が整備され、 対日輸出量は急増しており、 月間輸入量では1万9千826トンと4月に引き続 き過去最高の記録を更新し、 シェアも40.4%と着実に伸ばした。 このうち、チ ルドの輸入量は463トンと数量は少ないものの (中国からの輸入量の2.2%)、 依然として増加の傾向は続き、 対前年比では94年3月から3桁台で推移して いる。 5月の家禽肉の調製品 (焼き鳥が中心と見られる。) の輸入量は、 3千566 トンと前年同月を大幅に上回った (61.3%、 図4)。 輸入相手国別にみると、 全体の輸入量の大部分を占める主要3カ国は、 タイが1千554トン、 中国が1 千418トン、 アメリカが489トンと、 いずれも大幅に増加した(それぞれ、 21.0 %、 209.4%、 57.8%)。 特に中国は、 外国資本の導入による加工技術の向上 とともに、 6年秋から輸入量が急増している。 5月の推定出回り量 前年同月を大幅に上回る
5月の推定出回り量は、 15万509トンと前年同月を大幅に上回った(12.0%、 図5)。 出回り量を輸入品、 国産品別にみると、 輸入品は4万1千51トンと 前年同月を大幅に上回り (35.2%)、 国産品も10万9千458トンとやや上回っ た(5.3%)。 これまで、 輸入品は6年3月から前年同月を大きく上回って推移 してきたのに対し、 国産品は6年3月以降下回る水準で推移してきた。 7年1 月からは国産品の需要も回復の傾向にある。 国産品が中心と見られる家計消費 量は、 7年4月には前年同月をやや上回る水準となった (5.0%)。 5月の推定期末在庫量 前年同月を大幅に上回り10万トンを超える 5月末の推定期末在庫量は、 10万1千165トンと前年同月を大幅に上回った (34.3%、 図6)。 6年3月からは、 5年の在庫水準が高かったこともあり、 前年同月を下回って推移してきたが、 7年3月以降は輸入品在庫の増加を受け て前年同月を上回って推移し、 5月は18カ月ぶりに10万トンを超えた。 推定 期末在庫量の内訳を輸入品、 国産品別にみると、 輸入品は8万7千612トンと 前年同月を大幅に上回った (42.9%)。 増加の原因は、 輸入品の期首在庫量が 大幅に上回る水準であったこと、 最近の輸入量の増加が出回り量の増加を上回 り、 在庫が積み増されたことによる。 一方、 国産品在庫は、 出回り量の増加が生産量の増加を上回ったことから、 在庫の取り崩しとなり、 1万3千553トンと前年同月をやや下回った (▲3.3 %)。 5月の国産鶏肉の卸売価格 前年同月をかなり下回る
5月のもも肉、 むね肉の卸売価格 (東京・平均) は、 5月の連休前までは行 楽需要等の期待から、 強含みで推移してきたが、 連休明け以降に大きな需要の 伸びが無かったことに加え、 週末ごとに雨に見舞われ、 業務用の消費が見込み よりも伸びなかったことから価格は急落し、 それぞれ、 526円/kg、 273円/kg と、 いずれも前年同月をかなり下回った (それぞれ▲9.2%、 ▲14.4%、 図7)。 6月の卸売価格は、 連休明け以降は、 引き続き軟調で推移したが、 月末にか けてようやく値が下げ止まり、 6月末はもも肉が464円/kg、 むね肉が249円/ kgとなった(農林水産省 「畜産物市況速報」)。 6月の輸入鶏肉の卸売価格 中国産もも肉上げる 5月の輸入鶏肉の卸売価格 (関東) を単純平均でみると、 円高等の影響によ り、 もも肉が380円/kg、 むね肉が266円/kgといずれも前年を下回る水準とな った (それぞれ▲2.6%、 ▲10.6%)。 6月の価格は、 中国産のもも肉が375円/kgと4月より15円値を上げ、 前年 同月をやや上回った (3.0%)。 中国産もも肉は、 他の主要輸入相手国 (ブラジ ル、 タイ、 米国)産もも肉よりも安い価格で推移してきたが、 4月以降値を上げ 、 他の国と同程度の価格となった。 一方、 タイ産むね肉は、 256円/kgと5月よ り10円値を下げ、 前年同月をわずかに下回った (▲2.3%、 図8)。
今月のトピックス |
平成6年のブロイラー飼養戸数、 飼養羽数はいずれもかなり減少 農水省統計情報部発行の 「平成6年 食鳥流通統計」 によると、 平成7年2 月1日現在のブロイラー飼養戸数は3, 850戸、 飼養羽数は1億1千970万羽で 前年に比べいずれもかなり減少した (それぞれ、 ▲7%、 ▲6%)。 1戸当たりの飼養羽数は、 3万1千90羽とわずかに前年を上回った(1.0%)。 また、 2大消費地である東京、 大阪の6年の入荷量は、 生産量の減少を受け て、 いずれも前年をかなり下回った。 東京の入荷量を三大産地別にみると、 鹿 児島が前年を大幅に下回り、 シェアを4.8ポイント下げたが、 輸送距離が短い 地の利から岩手は前年並みとなり、 シェアを2.0ポイント上げた。 大阪でも鹿 児島が大幅に減少し、 シェアを1.2ポイント下げた。
2大消費地の入荷費 (トン、%)
消費地 | 東京 | 大阪 | ||||
生産地 | 5年 | 6年 | 前年比 | 5年 | 6年 | 前年比 |
全国 | 191,537 | 170,067 | ▲11.2 | 129,098 | 110,072 | ▲14.7 |
岩手県 (シェア) |
32,407 (16.9) |
32,210 (18.9) |
▲0.6 (+2.0) |
- - |
- - |
- - |
宮崎県 (シェア) |
39,802 (20.8) |
35,623 (20.9) |
▲10.5 (+0.1) |
25,013 (19.4) |
24,462 (22.2) |
▲2.2 (+2.8) |
鹿児島県 (シェア) |
49,760 (26.0) |
36,063 (21.2) |
▲27.5 (-4.8) |
24,245 (18.8) |
19,391 (17.6) |
▲20.0 (-1.2) |
注 1)入荷量と体・中ぬき、解体品の計である。 2)期間は1月から12月。
〔 牛乳・乳製品 〕
5月の生乳生産量 わずかに下回る
5月の生乳生産量は、 74万3千154トンとわずかに前年を下回った (▲1.3%)。 北海道、 都府県別にみると、 北海道は前年同月をわずかに上回り、 都府県は前年 同月をわずかに下回った (それぞれ1.2%、 ▲2.9%)。 都府県が前年を下回って いるのは、 昨年の猛暑による種付けの遅れ等により、 1頭当たりの泌乳量の回復 が進んでいないためと思われる。 また、 1日当たりの生乳生産量の推移を季節調 整済み値でみると、 5年春以降、 ゆるやかに減少し、 最近は横ばいとなっている (図1)。
5月の飲用向け処理量 わずかに下回る
5月の飲用牛乳等向け処理量は、 天候が不順だったこともあり、 44万4千164 トンと前年同月をわずかに下回った (▲2.0%)。 また、 1日当たりの処理量の推 移を季節調整済み値でみると、 5年秋以降、 増加傾向であったが、 6年秋以降は 減少傾向にある (図2)。 5月の乳製品向け処理量は、 飲用牛乳等向け処理量が前年を下回ったが、 生乳 生産量が減少したことから28万7千785トンと前年並みとなった (0.2%)。 5月の脱脂粉乳価格 引き続き高値 5月のバターの生産量は、 7千882トン (2.6%、 図3) と前年同月をわずかに 上回った。 また、 脱脂粉乳も1万7千789トン (3.3%、 図4) と前年同月をやや 上回った。 5月のバターの大口需要者価格は、 7カ月連続で950円/kgと底保合が続いてい る (▲1.3%)。 また、 脱脂粉乳は、 1万3千547円/25kg (2.9%) と安定指標 価格を5.5%上回った。
今月のトピックス |
「カマンベール」 の生産は好調、 他は下回る 農林水産省が 「平成6年度国産ナチュラルチーズの種類別製造量」 を公表した。 3年度から伸び続けていた生産量だが、 3万758トン (▲8.0%) とかなり前年を 下回った。 これは猛暑により飲用向け処理量が大幅に増加した結果、 チーズ向け 処理量が減少したこと等による。 しかし、 チーズ全体の消費は伸びていることか ら、 この国産チーズの減少分は輸入チーズがカバーしたことになる。 また、 生産 量の内訳をみるとナチュラルチーズの中でも日本人が食べやすいカマンベールが 前年をかなり上回った (10.3%) 他は、 軒並み下回っている (巻末資料参照)。
〔 鶏 卵 〕
5月の主要5都市の総入荷量前年同月をわずかに上回る 主要5都市 (札幌、 東京、 名古屋、 大阪、 福岡) の総入荷量は、 3万4千610 トンと前年をわずかに上回った (2.1%、 図1)。 5月のえ付け羽数は、 1千17万羽と前年同月をやや上回った (▲5.2%、 図2)。 農林水産省統計情報部は、 6月、 7月、 8月のひな出荷羽数を前年の同月と比べ て、 それぞれ94%、 98%、 99%と見込んでいる。 5月の輸入量 前年同月を大幅に上回る
5月の輸入量 (殻付き換算)は、 4千293トンと前年同月を大幅に上回った(30.4 %、 図3)。 輸入品目別にみると、 主に菓子・ケーキ類の原料や練り製品に使用される全卵粉 (54.6%)、 菓子製パンその他加工品に使用される液状全卵等 (146.1%)、 マヨネ ーズの原料等に使用される液状卵黄等 (34.0%) の輸入が依然堅調となっている。 また、 輸入相手国別では、 全体の過半を占めるアメリカからの輸入が好調で、 2 千535トンと前年同月を大幅に上回った (47.6%)。
5月の卸売価格 連休以降軟調に推移
5月の卸売価格 (東京・平均)は、 連休明けに滞貨が一気に入荷したことに加え 、 その後も大きな需要の増加が無かったことから、 弱含みで推移し、 160円/kgと 4月より11円値を下げた。 しかし、 前年との比較ではかなり上回る水準となった (12.7%、 図4)。 6月の卸売価格 (東京全農M規格・速報) は、 5月から引き続き弱含みで推移 し、 147円/kgまで値を下げたが、 下旬からは入荷量の減少により、 強保合いとな り、 月末は150円/kgとなった (17.2%)。
今月のトピックス |
6月の補てんは1kg当たり14円 7月1日、 全国鶏卵価格安定基金と全日本卵価安定基金は、 6月期の補てんを 1kg当たり14円と決めた。 連休以降から6月下旬まで、 卵価は軟調で推移し、 6 月の標準取引価格が146円95銭/kgと、 補てん基準価格の163円/kgを下回った。 今年度は5月に引き続き2回目の実施となる。
最近の価格補てん実施状況(単位:円/kg)
年度 | 5年度 | 6年度 | 7年度 |
基準価格 | 173 | 163 | 163 |
補てん額 | 補てん額 | 補てん額 | |
4月 | 39 | 1 | - |
5月 | - | 20 | 6 |
6月 | 38 | 22 | 14 |
7月 | 11 | 28 | - |
8月 | 9 | 10 | - |
9月 | 19 | - | - |
10月 | 36 | - | - |
11月 | 33 | - | - |
12月 | 16 | - | - |
1月 | @6/ A3 | - | - |
2月 | - | - | - |
3月 | - | - | - |
@(社)全国鶏卵価格安定基金 A(社)全日本卵価安定基金