◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

いわいずみ短角牛の地元消費を目指して

(岩手県   及川 団)

  岩手県のJA岩泉町は、 このほど、 食肉処理加工施設を建設し、 5月から
稼働を開始した。 この施設は、 地元特産品である短角牛肉の円滑な供給体制
を確保し、 地元消費の拡大を図ることをねらいに建設されたもので、 精肉販
売はもとより加工品の研究開発など、 「いわいずみ短角牛」のブランド確立の
柱として、 関係機関から大きな関心を集めている。 
 
  JA岩泉町ではこれまで、 さいたまコープや県内大型店舗との産直事業や
会員制による宅配事業などを通して 「いわいずみ短角牛」 の販売を進めてき
たが、 地元に食肉処理加工施設がないため、 安定的な供給体制が十分確保さ
れなかった。 
 
  今回完成した施設は、 木造平屋建て、 面積63.76uで、 県の 「活力あるむ
らづくり促進対策事業」 により、 総事業費1, 000万円を投じて建設された。 
主な設備としては、 低需要部位の保管に必要なプレハブ冷蔵・冷凍庫、 スネ
など固い部位の一次加工のための回転釜の他真空包装機、 ミートスライサー
・チョッパーなどである。 
 
  当面は、 会員制販売に向けた月2頭の精肉処理が主流となるが、 今後は加
工部分の充実を図り、 町内の学校給食への提供やホテル、 民宿等への安定供
給を促進し、 地元での消費拡大を強力に押し進めることとしている。  
    

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