◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

生ゴミ処理に発酵たい肥
「田園のしらべ」 が有効 

(鳥取県 井崎  敏彦)

  ここ数年、 家庭の生ゴミの処理、 地域の生活環境の改善及び有機農業の広
がりにより、 急速に広がったのが家庭用コンポスト (生ゴミ処理容器)であ
る。 
 
  手軽に生ゴミが処理でき、 有機質肥料が手軽に作れると、 購入した人は多
い。 しかし、 適当な処理剤がなく発酵が思うよう進まず、 ハエの発生、 夏場
の臭気等の問題があり、 放置されている状況も見られた。 
 
  この悩みを解決したのが、 鳥取県東伯町のJAとうはく下郷地区の婦人部。 
東伯町では、 昭和63年より町の補助事業で多くのコンポストが設置され、 当
初市販の処理剤をいろいろ利用していたが、 価格・発酵能力等の面でなかな
か良いものがなかった。 
 
  そこで、 地区の婦人部が目を付けたのが以前からJAとうはくが主に牛ふ
ん、 鶏ふんで生産している発酵たい肥 「田園のしらべ」 である。 
 
  それを生ゴミに使用してみると1年を通じて安定して発酵が進み、 嫌な臭
気の発生が抑えられるとともに、 ハエの発生も少なく非常に優れた発酵処理
剤であることが分かった。 
 
  処理方法は簡単で6人家族の場合、 1日200ccカップ1杯をコンポストに
入れるだけ。 また、 一般の処理剤のように臭いもなく素手で触れても全く安
心。 
また、 市販の処理剤に比べて価格が安いことが大きな利点である。 「田園の
しらべ」 は15kg入りが950円で、 1袋で半年利用できる。 
 
  コンポストで発酵した生ゴミは良質の有機質肥料で、 家庭菜園に利用でき
るため、 ゴミ処理と併せて一石二鳥である。 今後は町内全域に活用の輪を広
げていこうと農協婦人部では話し合っている。
 
  
   

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