◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

楽しくゆとりある酪農を求めて
「山菜を味わう会」      

(鳥取県 馬野 善明)

  昨今、 畜産経営のキーワードの一つにゆとりを生み出す工夫、 個々の経営
が孤立しないよう組織づくりを考えることがあげられる。 その手本として萩
はぎ原酪農組合 (組合長 加藤 明氏) の事例を紹介する。 
 
  中国地方の高峰大山の中腹に、 戦後山形県から入植した10戸ばかりの実に
まとまりのよい全戸酪農で生きる萩原集落がある。 
 
  恒例の萩原酪農組合主催による 「山菜を味わう会」 が今年も5月6日(土)
に開催された。 夏の 「酪農祭」 と共にこの組合の二大イベントとして定着し
ている。  

  この会は萩原でしか出来ない特色ある催しをしながら、 各関係機関を招き
世間話から酪農の現状・将来展望まで幅広く春の夜のひとときを楽しく和気
あいあいと語り明かそうということで発足した。
 
 今年も会の前日までに山菜の収穫を終え、 当日は搾乳作業が終了した朝6
時から婦人のみなさんが公民館に集まり下ごしらえが始まった。 昼過ぎから
調理にかかり、 午後6時半にはすべて料理が出来上がった。 その後、 交代で
搾乳作業を行い全員集合したのが午後8時。 

 毎年酪農組合の男性が山の中を歩き回り山菜を採取、 女性がそれをさらに
調理する。 すばらしいチームワークで次々と珍しい料理が出来上がる。 例年
、 参加者のあちこちから 「これ何?」 という質問が飛びかい、 その質問に主
催した萩原の人達が答えていく。 

 このような催し物を通じて、 酪農組合の組織がより強固になり、 厳しいな
がらも、 ゆとりある酪農経営となることを祈るものである。 
    

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