◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

県内の家畜市場を統一して和牛の生産振興を 

(愛媛県 高橋 勉)

  愛媛県経済農業協同組合連合会は、 従来3カ所の臨時家畜市場を開設して
きたが、 繁殖肥育一貫経営が進む中で入場頭数は次第に頭打ちとなり、 また
取引範囲が地元地区に限定されてしまうため、 県産和牛子牛の有利な販売が
困難となっていた。 
 
  そのため、 生産者をはじめ農協、 和牛改良組合からも市場運営の合理化と
子牛の市場性を高めるために、 市場を統合して欲しいとの強い要請が以前よ
りあった。 
 
  そこで、 同経済連は、 繁殖経営と肥育経営の連携を密にし、 地域一貫体制
の促進と和牛の生産振興を図るため、 平成7年6月から県下を統一した臨時
家畜市場を東宇和郡野村町に開設した。 
 
  現在、 愛媛県の肉専繁殖農家は県下に点在しており、 飼養戸数379戸、 飼
養頭数2,172頭で、 戸数・頭数ともに前年比で約6%減少している。 
 
  この統一市場の開設により、 これまでの市場外流通も含めて取引を集約す
ることが可能となるために、 現在の年間400頭の取引が1,200頭規模の取扱い
となり、 「和牛飼育の減少に歯止めがかかるのでは」 と関係者の期待が寄せら
れている。 
 
  今後、 県産和子牛の円滑な取引と市場性の高まりにより、 高品質の愛媛銘
柄牛 「伊予牛絹の味」 の確立が期待される。 
  

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