◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

これは楽ちん!アイデア削蹄枠

(北海道 森本正隆)

  牛の削蹄は、 多頭飼養農家の悩みの種であるが、 岩手県の酪農家藤森雅美
さんがスイスを訪れた際、地元の酪農家で使われていた牛を保定する削蹄枠を
真似て自作した。 

 この情報が全農の飼料畜産情報ネットワーク 「F&Lネット」 で紹介され、 
普及センター経由で伝わった。 北海道鵡川 (むかわ) 町で肉牛を飼っている
松浦富夫さん (43才) は、 藤森さんが撮影した 「スイスの削蹄枠を使った削
蹄作業のビデオ」 を見たり、 鵡川を訪れた岩手県の農家に聞くなどして、 従
来から使っていた保定枠を改良して図のような削蹄枠を作成した。 

 この削蹄枠は、 牛の脚につけた皮バンドをラチェットレンチで巻き上げる
もので、 次の特徴があげられる。
 
1) 脚の保定が楽であること

2) 完全に蹄の裏が見えるように保定されるため蹄の所に作業台をおけば 「削
   蹄のみ」 で簡単に削蹄ができること
   
3) 牛は無理のない姿勢でストレスもかからないこと
 
  前足用の巻き上げ機は取り外しができ、 後ろの巻き上げ機はゲートのよう
に開けられるので、 牛を枠に入れるときには邪魔にならない。 
 
  削蹄枠には、 電動式で牛を持ち上げるタイプもあるが、 松浦さんの削蹄枠
はこれより低コストで、 改良にかかる費用は21, 550円。 
 
  肉牛肥育にも取り組んでいる松浦さんは、 この削蹄枠のおかげで削蹄作業
が大変楽になったと言っている。 なお、 藤森さんが撮影した 「スイスの削蹄
枠を使った削蹄作業のビデオ」 は、 全農の 「F&Lネット」 で提供されたもの
で、 北海道立中央農業試験場中央農業技術情報センター(問合せ先 01238−
9−2001) で保管している。 
    

元のページに戻る