◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

気象情報活用システム全道で利用可能に

― 飼料作物の生育予測に活用 ― (北海道 森本 正隆)

  北海道農政部では、 昭和59年度から道央地域を対象にモデル事業としてメ
ッシュ気象情報の提供を行ってきた。 これは、 昭和50年代に連続した冷害を
契機に、 地域の気象条件の違いを的確に把握する必要が生じ、 さらに、 きめ
細かな営農指導を行うことを目的としている。 
 
  メッシュ気象情報は、 端末からの要求によってアメダスデータから計算し
た1kmメッシュ (網目) の気象推定値をリアルタイムに配信できる。 これに
よって、 アメダスのない地点の気象の把握が可能となり、 気象条件に応じた
技術対応が可能となる。 
 
  モデル事業でメッシュ気象情報の有効性が示されたことにより、 全道の農
業改良普及センターで入手できるように新たなシステムを開発し、 平成6年
度から利用可能になった。 このシステムは、 今年6月から全道で本格的な運
用を開始している。 

 今までは、 水稲や畑作、 野菜などを中心に活用されてきたため、 畜産分野
での活用ノウハウがまだ蓄積されていないという難点もある。 しかし、 道東
を中心とした酪農地域での活用に期待がもたれている。 また、 根釧農業試験
場では、 気象メッシュ情報による牧草チモシーの出穂期予測のシステム開発
を行っており、 平成8年度からの運用が予定されている。 

    

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