◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

イーハトーブ・アグリランドを目指して花巻地方畜産サミット開催さる    

(岩手県 佐藤良彦)

  詩人・童話作家であり、 農業研究者・農業指導者としても知られる宮沢賢
治のふるさと岩手県花巻市で、 8月30日に 「花巻地方畜産サミット」 が開催
された。 
 
  花巻地方振興局が主催したこのサミットは、 牛肉等の輸入自由化や農業従
事者の高齢化と担い手不足など、 厳しい情況にある中で、 官民一体となって
、 足腰の強い地域農業を確立していくことがねらい。 花巻地方 (花巻市、 大
迫町、 石鳥谷町、 東和町) の首長、 農協組合長など23名により 「花巻地方畜
産の現状と将来の展望を語る」 をテーマに議論し、 今後、 産地間競争に打ち
勝つための 「花北牛」 銘柄の確立や総合的な担い手育成などを盛り込んだ 「
サミット宣言」 を行った。 

 花巻地方は、 県内でも有数の 「ささにしき」、 「ひとめぼれ」 の米産地であ
るが、 米に園芸、 畜産を加えた複合産地を形成し、 さらに、 早池峰山、 田瀬
湖等の豊かな水、 緑の保全や伝統文化を維持することにより、 自ら農村の豊
かさを享受するとともに、 都市住民にも開かれた賢治の童話からその名をと
った理想郷、 「イーハトーブ・アグリランド」 の形成を目指している。
 
 土作りを通じての自然で安全な農産物の生産・供給や農業経営の安定と農
家所得の向上のために畜産はなくてはならない重要な部門である。 今回の畜
産サミットは、 地域一丸となって畜産振興に取り組み、 地域農業の一層の発
展を期する絶好の機会になったものと考える。

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