◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

フリーストール牛舎のふん尿処理方式を改善

(群馬県 青嶋 善治郎)

  群馬県宮城村の酪農家北爪初男さん (47才) は、 7年前経営改善のために
搾乳牛を48頭から90頭に拡大した。 それに伴い省力化のためフリーストール
飼育方式を取り入れ、 夫婦と父親の3人で飼育に当たっている。 
 
  フリーストール飼育の導入に合わせて、 これはと思われるふん尿処理機械
・施設をいくつか試行してきた。 しかし、 低コストだと手間がかかり、 手間
がかからないと高価になりどれも一長一短で評価はいまひとつであった。 北
爪さんが平成6年度に設置したこの処理方法は、 この点をクリアしている。 
ビニールハウスを使用した攪拌処理で432m2で投資額は概算1,000万円、 仕様
は従来のコンクリート側壁を攪拌機が走行するものと異なり、 側壁のない平
らな地面をゴム車輪が走り、 取り付けられた攪拌機がカマボコ状態に牛糞を
もりあげながら、 たい積しているところに特徴がある。 この方法だと、 たい
肥が短時間でできあがり、 手間がかからない。 また、 コンクリート側壁がい
らないので低価格で整備が可能である。 
 
  たい肥は水分35〜40%を目安に仕上げ、 半分はフリーストールの敷料とし
て使用し敷料費の節減に役立て、 さらに一部は戻したい肥として新鮮牛糞と
混合し水分調整材として活用している。 この方法によりたい肥中の微生物の
繁殖が促進され発熱が良く臭気も少ない。 また、 白土という物質 (油含有) 
を加え発熱のためのエネルギー源として添加し、 念を入れたたい肥化を図っ
ている。 発酵温度は冬でも70〜75度前後の上昇が見られたい肥化は順調であ
る。 現状においても施設の導入成果は上々であり、 周辺酪農家の注目を集め
ている。 

    

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